NVIDIA® Hybrid SLI® グラフィックスは、複数のグラフィックス プロセッシング ユニット (GPU) を管理して、グラフィックスのパフォーマンス要件と省電力要件の変更を調整します。このテクノロジは、GeForce® Boost と HybridPower™ という 2 つのテクノロジで構成されます。GeForce® Boost は、NVIDIA マザーボード GPU と共に使用すると、NVIDIA ディスクリート GPU のパフォーマンスを飛躍的に高めます。HybridPower は、グラフィックス パフォーマンスを必要なときにだけ向上させ、日常的なコンピューティングの実行時には静音の省電力動作に切り替わります。これらのテクノロジは、NVIDIA Hybrid SLI 対応 GPU と NVIDIA Hybrid SLI 対応マザーボードがそれぞれ 1 つ以上搭載されたシステムで利用できます。
NVIDIA Hybrid Graphics は、Windows Vista と Windows 7 の各オペレーティング システムでのみサポートされています。
デスクトップ コンピュータ向けの Hybrid SLI グラフィックス モードには、次の 3 種類があります。
省電力。省電力モードでは、マザーボード GPU によってのみレンダリングと表示が行われます。独立型 NVIDIA GPU の電源はすべてオフになるため、電力消費が抑えられ、熱とノイズが低減されます。
メモ: Hybrid SLI PC によっては、省電力モードを利用できない場合があります。
パフォーマンス最大化。このモードをマザーボード GPU と共に有効にすると、すべての分散型 NVIDIA GPU の電源がオンになり、レンダリングと表示に使用されます。その結果、グラフィックス パフォーマンスが高まります。NVIDIA マザーボード GPU は、分散型 NVIDIA GPU と組み合わせて使用されます。これらの GPU が連動した結果、グラフィックス パフォーマンスが最大化されます。
追加のディスプレイ。マザーボード GPU と分散型 NVIDIA GPU の両方に接続されているディスプレイを使用するには、このモードを有効にします。
次の表は、Hybrid SLI グラフィックス モード間の主な違いをまとめたものです。
Hybrid SLI グラフィックス モード |
使用される GPU |
使用可能なディスプレイの数 |
省電力 |
マザーボード GPU のみ |
マザーボード GPU に接続されているディスプレイ 2 台まで |
パフォーマンス最大化 |
独立型 GPU とマザーボード GPU が連動 |
マザーボード GPU または分散型 GPU に接続されているディスプレイ 2 台まで |
追加のディスプレイ |
すべての GPU が利用可能 (各 GPU は独立して動作) |
マザーボード GPU と分散型 GPU の両方に接続されているすべてのディスプレイ |
「Hybrid SLI グラフィックスは SLI デスクトップ PC とどのように連動しますか」も参照してください。
マザーボード GPU は、マザーボードのチップセットに統合された GPU であり、ストレージ、オーディオ、通信などのマザーボードの中核機能を制御します。
独立型 GPU は、グラフィックス処理機能のみを備えたスタンドアロン型コンポーネントです。通常、独立型 GPU は標準の PCI Express アドイン グラフィックス カード上に配置されています。
Windows タスク バーの通知領域に [Hybrid SLI] アイコンが表示されます。
各グラフィックス モードは、このアイコンによって次のように示されます。
Hybrid SLI 通知アイコン |
グラフィックス モード |
パフォーマンス最大化 |
|
省電力 |
|
追加のディスプレイ |
通知アイコンの上にポインタを置くか、アイコンをクリックして、現在のグラフィックス モードを特定することもできます。
グラフィックス モードを変更するには
Windows タスク バーの通知領域にある [Hybrid SLI] アイコンをクリックして、Hybrid SLI モード選択ウィンドウを開きます。
[省電力]、[パフォーマンス最大化]、[追加のディスプレイ] の中から、使用する Hybrid SLI モードを選択します。
変更が直ちに適用され、ウィンドウが閉じます。
デスクトップ システムのグラフィックス モードは、Windows の電源プランと関連付けられていません。ただし、省電力モードをサポートしている Hybrid SLI PC では、Windows の電源プランを使用して、システムがアイドル状態のときに Hybrid SLI 省電力モードを有効にするかどうかを制御できます。
デフォルトは PC メーカーごとに異なる場合がありますが、一般的なデフォルトの省電力設定は以下のとおりです。
Windows 電源プラン |
次の場合に省電力モードを有効にする |
バランス |
まったく有効にしない |
省電力 |
まったく有効にしない |
高パフォーマンス |
まったく有効にしない |
デフォルト設定を変更するには、以下を行います。
Windows コントロール パネルを開いて、[電源オプション] をダブルクリックします。
[電源プランの選択] ページで、カスタマイズする電源プランの下にある [プラン設定の変更] をクリックします。
[詳細な電源設定の変更] をクリックします。
[詳細設定] タブのカテゴリ ボックスで、[GPU 設定] カテゴリ、[次の場合に省電力モードを有効にする] カテゴリの順に展開します。
[設定] リストの矢印をクリックして、この電源プランで使用するオプションを選択します。
他の電源プランの設定を変更する必要がある場合は、カテゴリ ボックスの上にある電源プラン リストの矢印をクリックして、カスタマイズする電源プランを選択してから、手順 4 と 5 を繰り返します。
[OK] をクリックして、[変更の保存] をクリックします。
省電力モード オプションを有効にするには、少なくとも 1 台のディスプレイをマザーボード GPU に接続します。
場合によっては、マザーボード GPU にディスプレイを接続する前に、追加ディスプレイ モードに切り替えることが必要となります。ディスプレイは点灯する必要があります。
グラフィックス モードを変更したときに、画面が短時間フリーズすることは正常な動作です。これは、モードの切り替え時にグラフィックス ハードウェアが表示を更新しなくなるためです。この状態になっても、コンピュータとアプリケーションは正常な動作を続け、モードの変更が完了し次第、アプリケーションが利用可能になります。
一部のアプリケーションでは、アプリケーションの実行中に別の GPU に動的に切り替えることができません。この場合にグラフィックス モードを変更しようとすると、ダイアログ ボックスが開き、モードを切り替える前に閉じる必要があるアプリケーションの一覧が表示されます。
ブロックしているアプリケーションが Windows デスクトップやタスク バーに表示されず、Alt + Tab キーを押しても表示されない場合は、Windows タスク マネージャを使用してアプリケーションを閉じることができます。
Ctrl + Alt + Del キーを押して、[タスク マネージャの起動] をクリックします。
[Windows タスク マネージャ] の [アプリケーション] タブで、ブロックしているアプリケーションをクリックし、[タスクの終了] をクリックします。
ブロックしているアプリケーションを [プロセス] タブで見つける必要が生じる場合もあります。
SLI デスクトップ PC とは、SLI 対応の独立型 GPU を 2 つ以上搭載したコンピュータのことです。NVIDIA コントロール パネルの [SLI 設定] ページを使用して SLI を有効にすると、これらの GPU が互いに連動し、グラフィックス パフォーマンスが向上します。
次の表は、SLI デスクトップ PC (SLI に対応した複数の独立型 GPU を搭載した PC) で SLI モードを有効にできるかどうかを、Hybrid SLI グラフィックス モード別に示したものです。
Hybrid SLI グラフィックス モード |
SLI デスクトップ PC (複数の独立型 GPU) に対する影響 |
使用可能なディスプレイの数 |
省電力 |
SLI モードは自動的に無効になり、有効にできません。 NVIDIA コントロール パネルの [SLI 設定] ページは使用できなくなります。 |
マザーボード GPU に接続されているディスプレイ 2 台まで |
パフォーマンス最大化 |
SLI モードは自動的に有効になり、無効にできません。 |
マザーボード GPU に接続されているディスプレイ 1 台 |
追加のディスプレイ |
SLI モードは自動的に無効になりますが、NVIDIA コントロール パネルを使用して有効にできます。 |
SLI 有効: いずれかの独立型 GPU に接続されているディスプレイ 1 台 SLI 無効: マザーボード GPU と分散型 GPU の両方に接続されているすべてのディスプレイ |
ディスプレイを接続した後は、Windows タスク バーの通知領域にある [Hybrid SLI] アイコンをクリックして、[追加のディスプレイ] を選択します。
Windows コントロール パネルの [画面] 設定ページが表示されます。
有効にするディスプレイを右クリックして、[接続] をクリックし、[OK] をクリックします。
上記の手順が完了したら、以下を行います。
独立型 GPU に接続されているディスプレイを使用して Hybrid SLI パフォーマンス最大化モードを使用するには
Windows コントロール パネルの [画面] 設定ページを使用して、マザーボードに接続されているディスプレイを無効にし、適切な独立型 GPU に接続されているディスプレイを有効にします。
Windows タスク バーの通知領域にある [Hybrid SLI] アイコンをクリックして、[パフォーマンス最大化] を選択します。
メモ: SLI デスクトップ PC でパフォーマンス最大化モードが有効になっている場合、独立型 GPU に接続されているディスプレイを有効にすることはできません。「NVIDIA Hybrid SLI グラフィックスとは何ですか」の表を参照してください。
Hybrid SLI 省電力モードを使用するには
少なくとも 1 台のディスプレイがマザーボード GPU に接続されていることを確認します。
Windows タスク バーの通知領域にある [Hybrid SLI] アイコンをクリックして、[省電力] を選択します。
メモ: 独立型 GPU に接続されているディスプレイを切断する必要はありませんが、省電力モードに切り替えた後は、マザーボード GPU に接続されている 1 台または 2 台のディスプレイしか有効になりません。
使用するディスプレイが接続されていることを確認します。
Windows タスク バーの通知領域にある [Hybrid SLI] アイコンをクリックして、[追加のディスプレイ] を選択します。
Windows コントロール パネルの [画面] 設定ページが表示されます。
パフォーマンス最大化モードで使用するディスプレイを右クリックし、[接続]、[適用] の順にクリックします。
パフォーマンス最大化モードで使用するディスプレイと同じ GPU に接続されていないディスプレイの場合は、以下を行います。
ディスプレイを右クリックして、[接続] チェック ボックスをオフにしてディスプレイの接続を解除し、[適用] をクリックします。
Windows タスク バーの通知領域にある [Hybrid SLI] アイコンをクリックして、[パフォーマンス最大化] を選択します。
使用するディスプレイがパフォーマンス最大化モードへの切り替え後に有効になるようにするには、手順 4 で説明したように、その他のディスプレイをすべて無効にします。
メモ: SLI デスクトップ PC でパフォーマンス最大化モードが有効になっている場合、独立型 GPU に接続されているディスプレイを有効にすることはできません。「NVIDIA Hybrid SLI グラフィックスとは何ですか」の表を参照してください。
どの Hybrid SLI グラフィックス モードが設定されているかによって、一部のディスプレイは無効になる場合があります。
パフォーマンス最大化
SLI デスクトップ PC では、ディスプレイが独立型 GPU に接続されている場合、これらのディスプレイが非アクティブになります。
SLI デスクトップ PC では、一度に 1 つのディスプレイしか使用されません。その他のディスプレイはすべて非アクティブになります。
NVIDIA コントロール パネルの [SLI 設定] ページを使用して、どのディスプレイを使用するかを選択します。
省電力
ディスプレイが独立型 GPU に接続されている場合、これらのディスプレイは非アクティブになります。
追加のディスプレイ
Windows コントロール パネルの [画面] 設定ページに移動して、使用するディスプレイを接続する必要があります。
SLI モードが有効になっている SLI デスクトップ PC では、一度に 1 つのディスプレイしか使用されません。その他のディスプレイはすべて非アクティブになります。
NVIDIA コントロール パネルの [SLI 設定] ページを使用して、どのディスプレイを使用するかを選択します。