NVIDIA、Keplerアーキテクチャー採用Tesla GPUで ハイパフォーマンスコンピューティングの新たな標準を確立|NVIDIA
 

NVIDIA、Keplerアーキテクチャー採用Tesla GPUで ハイパフォーマンスコンピューティングの新たな標準を確立

 
 

新アーキテクチャーでエネルギー効率は3倍、 コンピューティング・システムのGPUによる高速化が容易に

2012年5月15日 - GPU Technology Conference(カリフォルニア州サンノゼ) -NVIDIA(本社:米国カリフォルニア州サンタクララ、社長兼CEO: ジェンスン・フアン(Jen-Hsun Huang)、Nasdaq:NVDA)は本日、革新的なNVIDIA® Kepler™ GPUコンピューティング・アーキテクチャーを採用したTesla® GPUの新ファミリーを発表しました。新しいアーキテクチャーの登場により、科学分野や技術分野のハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)アプリケーションにおいて、GPUで高速化したコンピューティングが使いやすくなり、いままで以上に普及するものと思われます。

今回発表されたNVIDIA Tesla K10 GPUとK20 GPUは、いずれも、世界的にもトップクラスに複雑なHPC問題を処理できるように開発されたコンピューティング・アクセラレーターです。Keplerの前身、NVIDIA Fermi™アーキテクチャーは2年前に導入され、並列処理の新たな標準になりましたが、性能と電力効率を特に重視した設計のKeplerは、そのFermiと比べても効率が3倍に向上しています。

NVIDIAの研究担当シニア・バイスプレジデントでチーフ・サイエンティストのビル・ダリー(Bill Dally)は、次のように述べています。「Fermiの登場で計算処理の世界は大きく一歩前進しました。GPUで高速化したコンピューティングがハイパフォーマンスコンピューティングの頂点となり、GPUコンピューティング・プラットフォームに何十万人もの開発者が殺到したのです。今回のKeplerはそれに勝るとも劣らない影響力を持つでしょう。とても使いやすくて幅広いアプリケーションに応用できますし、効率も高いため、広範な技術系計算においてGPUが利用されるようになると思われます。」

Tesla GPUのK10とK20は、現在開催中のGPU Technology Conference(GTC)で発表されました。GTCにおける一連の発表は、GTCオンライン・プレスルームで読むことができます。

Kepler GPUには、パフォーマンスとエネルギー効率の向上を可能にするNVIDIAの技術がアーキテクチャー・レベルで投入されています。また、幅広い開発者やアプリケーションに使っていただける工夫もなされています。

  • SMXストリーミング・マルチプロセッサー-性能とエネルギー効率を改善するため、GPUの基本構成要素であるSMXストリーミング・マルチプロセッサーについて設計を根本的に見直しました。その結果、Fermiのストリーミング・マルチプロセッサーと比較して、1ワットあたりのパフォーマンスが最大で3倍になり、1ペタフロップものコンピューティング・パフォーマンスを発揮するスーパーコンピューターをわずか10ラック分のサーバで構築できるようになりました。SMXでは、CUDA®アーキテクチャー採用のコア数を4倍に増やすと同時に各コアのクロック・スピードを落とす、アイドル時にはGPUの一部にパワー・ゲーティングを施す、制御ロジックではなく並列処理コアに使用するGPU領域を極力増やすといった方法でエネルギー効率の最大化を図っています。
  • Dynamic Parallelism(動的並列処理)-この機能は、GPUスレッドにおいて新しいスレッドを動的に生みだせるようにする技術で、データに対してGPUが動的に対応可能となります。この機能があると、並列プログラミングが簡単に行えるようになり、適応メッシュ制御、高速マルチポール法、マルチポール法など、よく利用されるアルゴリズムにGPUアクセラレーションが普及するものと思われます。
  • Hyper-Q-ひとつのKepler GPUに搭載されたCUDAアーキテクチャー・コアを複数のCPUコアから同時に利用できるようにする技術です。その結果、GPUの利用率が大幅に高まってCPUのアイドル時間が短縮されますし、プログラミングの幅も広がります。Hyper-Qは、MPIを使用するクラスタ・アプリケーションに最適です。

NVIDIAのGPUエンジニアリング担当上級副社長兼Keplerプリンシパル・アーキテクトであるジョナ・アルベン(Jonah Alben)は、次のように述べています。「Keplerを設計するにあたって重視したのは、パフォーマンス、効率、アクセス性の3点です。GPUで高速化したコンピューティングの節目ともなる製品であり、今後は、計算研究の世界に次々とブレークスルーをもたらしてくれるでしょう。」

NVIDIA Tesla K10 GPUとK20 GPU
NVIDIA Tesla K10 GPUは、信号処理や画像処理、地震データ処理などのアプリケーションで世界最高のスループットを提供してくれる製品です。石油・ガスの探査業界や防衛産業における利用に最適化されており、GK104 Kepler GPUを2基搭載したTesla K10アクセラレーター・ボード1枚で、合計4.58テラフロップスという単精度浮動小数点ピーク演算能力と、320GB/秒というメモリー帯域幅が得られます。

NVIDIA Tesla K20 GPUはTesla GPU製品ファミリーの新たなフラッグシップとなる製品で、特に多くの計算処理を要求するHPC環境用として設計されています。パフォーマンスもエネルギー効率も世界最高のGPUとなるべく設計された製品で、発売は2012年の第4四半期を予定しています。

Tesla K20にはGK110 Kepler GPUが採用されています。このGPUはFermiアーキテクチャーをベースとしたTesla製品に対して倍精度能力が3倍に強化されているほか、Hyper-QやDynamic Parallelism(動的並列処理)の機能もサポートされています。GK110 GPUは、テネシー州にあるオークリッジ国立研究所が新たに構築するTitanスーパーコンピューターにも搭載される計画ですし、また、イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校にある米国立スーパーコンピュータ応用研究所のBlue Watersシステムにも搭載される予定です。

IDCでハイパフォーマンスコンピューティングを担当するプログラム・バイスプレジデント、アール・C・ジョセフ(Earl C. Joseph)氏は、次のように述べています。「2年前にFermiが発表されて以来、ハイブリッド・コンピューティングは、さまざまな重要HPCアプリケーションにおいてパフォーマンスを高める手法として広く採用されるようになりました。今後2年間では、GPUを利用してパフォーマンスを高めるアプリケーションがさらに増えるものと思われます。」

CUDA 5並列プログラミング・プラットフォームのプレビュー
Keplerアーキテクチャーと同時に、CUDA 5並列プログラミング・プラットフォームのプレビューもリリースされました。プレビューは、NVIDIAのGPUコンピューティング登録開発者プログラムに登録した2万人あまりのメンバーに提供されます。このプラットフォームを活用すると、Dynamic Parallelism(動的並列処理)など、新しいKepler GPUの能力をさまざまな形で試すことができます。

CUDA 5並列プログラミング・モデルは、2012年の第3四半期に一般公開されます。プレビュー・リリースを利用したいと思われる開発者の方は、CUDAウェブサイトからGPUコンピューティング登録開発者プログラムに登録をお願いします。

NVIDIA Tesla GPUについて
NVIDIA Tesla GPUはNVIDIA CUDA並列コンピューティング・プラットフォーム採用の超並列アクセラレーターです。Tesla GPUはハイパフォーマンスコンピューティング、計算科学、スーパーコンピューティングに対応できるように基礎から設計したプロセッサーで、科学的アプリケーションや商用アプリケーションにおいてCPUのみのアプローチよりも劇的に高いパフォーマンスを提供することができます。Tesla GPUは、現在、スーパーコンピューターの世界トップ5台の3台に採用されています。

NVIDIA Tesla GPUについての詳細は、Teslaウェブサイトをご覧ください。ツイッター@NVIDIATeslaです。

GTCについて
GPU Technology Conferenceは、GPUコンピューティングとビジュアライゼーション、そしてこのような技術が今後の科学やイノベーションにとって重要であるとの認識を世界的に高めることを目的とした会議です。GTCプレスルームでは、NVIDIAおよびそのパートナー各社の最新ニュースが閲覧できます。

About NVIDIA
1999年、NVIDIAによるグラフィックス・プロセッシング・ユニット(GPU)の発明が、世界中の人々にコンピュータグラフィックスの可能性を認識させることとなりました。今日、NVIDIAのプロセッサはスマートフォンからスーパーコンピューターまでの幅広い製品に、またモバイル・プロセッサは携帯電話、タブレット、および車載インフォテインメント・システムに搭載されています。なかでもPCゲーム分野ではリアリティあふれる仮想空間の実現によって多くのゲーマーを魅了しています。専門的な分野では、映画製作における高度な視覚効果や3Dグラフィックスをはじめ、ジャンボジェット機からゴルフクラブにいたるまであらゆるものの開発に役立っているほか、より高性能なコンピューターを必要とする先端科学の研究者にも利用されています。NVIDIAが保有する特許は申請中のものも含めると4,500件以上に上っており、近代的なコンピューティング技術の基礎となっているものも数多く含まれています。当社の詳細についてはwww.nvidia.co.jpまたは日本語サイト//www.nvidia.co.jpをご覧ください。

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本参考情報に記載されている記述の中には、NVIDIA Tesla K10 、K20 GPU、CUDA 5 パラレルプログラミングプラットフォームに関する特許の影響など、これらに限らず、将来予測的なものが含まれており、予測とは大幅に異なる結果を生ずる可能性があるリスクと不確実性を伴っています。これらのリスクと不確実性に関してはこれらに限らず、世界的な経済環境、サードパー ティーに依存する製品の製造、組立、梱包、試験、技術開発および競合による影響、新しい製品やテクノロジーの開発あるいは既存の製品やテクノロジーの改 良、当社製品やパートナー企業の製品の市場への浸透、デザイン、製造、あるいはソフトウェアの欠陥、ユーザの嗜好および需要の変化、業界標準やインターフェースの変更、システムを統合する際の当社製品および技術の予期せぬパフォーマンスの損失などがあり、その他のリスクの詳細に関しては、Form 10-Kの2012年1月29日を末日とする会計年度レポートなど、米証券取引委員会(SEC)に提出されているNVIDIAの報告書に適宜記載されます。 これらの将来予測的な記述は発表日時点での見解に基づくものであり、NDIVIAはこれらの記述を更新する一切の義務を負いません。

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