世界初の計算処理用Kepler GPU、 高い効率と史上最高のスループットおよびメモリー帯域幅で複雑なタスクに対応
2012年5月16日 - GPU Technology Conference(カリフォルニア州サンノゼ) -NVIDIA(本社:米国カリフォルニア州サンタクララ、社長兼CEO: ジェンスン・フアン(Jen-Hsun Huang)、Nasdaq:NVDA)は本日、NVIDIA® Tesla® K10 GPUアクセラレーターを発売したと発表しました。石油・ガスの探査で利用される地震探査データの解析と防衛産業における信号・画像の処理というハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)市場でも特に難しいとされる課題、ふたつに対応できるように設計された製品です。
Tesla K10のベースとなっているのは、過去最高のスピードと効率、パフォーマンスを誇るNVIDIA Kepler™コンピューティング・アーキテクチャーです。
Keplerアーキテクチャーでは、高性能なTesla K10、2個を1枚のアクセラレーター・ボードに搭載することができます。合計でパフォーマンスは単精度浮動小数点演算が4.58テラフロップス、メモリー帯域幅が320ギガバイト/秒と、Tesla K10は世界最速のスループットを持つGPUアクセラレーターになりました。
Tesla K10 GPUは、現在開催中のGPU Technology Conference(GTC)で発表されました。GTCにおける一連の発表は、GTCオンライン・プレスルームで読むことができます。
地震探査データの解析-石油・ガス
地震データの解析では、反射してきた地震波から地表下についてペタバイト単位の大量データを生成し、それを大規模なデータセンターで処理します。こうして得られた2D画像と3D画像を地球物理学者が解析し、石油やガスの鉱床を発見するとともに安全に採掘できる適地を求めるのです。
NVIDIA GPUを採用すると、RTM(リバースタイムマイグレーション)、全波形インバージョン、キルヒホッフ時間/深度マイグレーションなど、多くの計算処理を要求するが詳しい解析が行えるアルゴリズムを地震データ処理ソフトウェアにおいて利用できるようになります。
Schlumberger、CGGVeritas、TGSなどの地震データ処理大手とChevron、Petrobras、Total、ENI、Repsol、Saudi Aramcoなどの石油ガス会社では、GPUを活用して資源探査の成功率を劇的に高めています。GPUを使うと質の高い画像をすばやく、比較的低コストで生成できるため、採掘に関するさまざまな意志決定を精度よく、自信をもって行えるようになるのです。
Petrobras RTM地球物理学技術グループの開発者、パウロ・ソウザ(Paulo Souza)氏は、次のように述べています。「Tesla K10にはとにかく驚かされました。K10を使うと、地震波の解析アプリケーションがTesla M2090 GPUの1.8倍までスピードアップするのです。消費電力はほぼ同等です。この革新的なテクノロジーが登場したおかげで、今後は、石油やガスの資源を発見し、安全に採掘する能力が大幅に高まるものと思われます。当社の計算は90%をGPUで処理しているのですから。」
信号処理と画像処理-防衛
NVIDIA Tesla K10 GPUは、行動につなげられる動画解析や画像による証拠について、公安・警察といった法の番人が入手するまでに要する時間の短縮と質の向上を実現できるため、国の安全保障にも役立ちます。セキュリティカメラや無人探査機から得られる何千本ものビデオ・フィードを処理する場合、GPUを使うと100倍ものスピードアップが可能で、ターゲットのイベントや個人を解析担当者がみつけやすくなるのです。
BAE Systems社ISRテクノロジー担当ディレクターのイアニスイアニス・アントニアデス(Yiannis Antoniades)氏は、次のように述べています。「セキュリティカメラやUAVから得られる膨大な量のビデオ・データは、防衛産業にとって『新たなビッグデータ』問題となるものです。高品位な動画が大量に手に入るというのに、多くの場合、それをすばやく解析し、行動につなげられる情報を得ることができないのです。動画のぶれ補正からオルソ補正まで、ビデオ解析のほぼあらゆる側面ついて、GPUの応用で処理を高速化しつつあるおかげで、次第に、貴重なデータをかつてないほどすばやく得られるようになってきました。」
供給状況
新しいNVIDIA Tesla K10 GPUコンピューティング・アクセラレーターは、今月より、Appro Supercomputer Solutions、Dell、HP、IBM、SGI、Supermicroなどの大手OEMメーカーおよびNVIDIAの流通チャンネル経由で購入することができます。Tesla K10についての詳しい情報は、NVIDIAのTeslaウェブサイトをご覧ください。
NVIDIA Tesla GPUについて
NVIDIA Tesla GPUはNVIDIA CUDA®並列コンピューティング・プラットフォーム採用の超並列アクセラレーターです。Tesla GPUはハイパフォーマンスコンピューティング、計算科学、スーパーコンピューティングに対応できるように基礎から設計したプロセッサーで、科学的アプリケーションや商用アプリケーションにおいてCPUのみのアプローチよりも劇的に高いパフォーマンスを提供することができます。Tesla GPUは、現在、スーパーコンピューターの世界トップ5台の3台に採用されています。
CUDAについての詳細を知りたい場合、あるいは、その最新バージョンをダウンロードしたい場合は、CUDAウェブサイトをご覧ください。ツイッターは@NVIDIATeslaです。
GTCについて
GPU Technology Conferenceは、GPUコンピューティングとビジュアライゼーション、そしてこのような技術が今後の科学やイノベーションにとって重要であるとの認識を世界的に高めることを目的とした会議です。GTCプレスルームでは、NVIDIAおよびそのパートナー各社の最新ニュースが閲覧できます。
About NVIDIA
1999年、NVIDIAによるグラフィックス・プロセッシング・ユニット(GPU)の発明が、世界中の人々にコンピュータグラフィックスの可能性を認識させることとなりました。今日、NVIDIAのプロセッサはスマートフォンからスーパーコンピューターまでの幅広い製品に、またモバイル・プロセッサは携帯電話、タブレット、および車載インフォテインメント・システムに搭載されています。なかでもPCゲーム分野ではリアリティあふれる仮想空間の実現によって多くのゲーマーを魅了しています。専門的な分野では、映画製作における高度な視覚効果や3Dグラフィックスをはじめ、ジャンボジェット機からゴルフクラブにいたるまであらゆるものの開発に役立っているほか、より高性能なコンピューターを必要とする先端科学の研究者にも利用されています。NVIDIAが保有する特許は申請中のものも含めると4,500件以上に上っており、近代的なコンピューティング技術の基礎となっているものも数多く含まれています。当社の詳細についてはwww.nvidia.co.jpまたは日本語サイト//www.nvidia.co.jpをご覧ください。
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本参考情報に記載されている記述の中には、NVIDIA Tesla K10 GPUに関する特許の影響など、これらに限らず、将来予測的なものが含まれており、予測とは大幅に異なる結果を生ずる可能性があるリスクと不確実性を伴っています。これらのリスクと不確実性に関してはこれらに限らず、世界的な経済環境、サードパー ティーに依存する製品の製造、組立、梱包、試験、技術開発および競合による影響、新しい製品やテクノロジーの開発あるいは既存の製品やテクノロジーの改 良、当社製品やパートナー企業の製品の市場への浸透、デザイン、製造、あるいはソフトウェアの欠陥、ユーザの嗜好および需要の変化、業界標準やインターフェースの変更、システムを統合する際の当社製品および技術の予期せぬパフォーマンスの損失などがあり、その他のリスクの詳細に関しては、Form 10-Kの2012年1月29日を末日とする会計年度レポートなど、米証券取引委員会(SEC)に提出されているNVIDIAの報告書に適宜記載されます。 これらの将来予測的な記述は発表日時点での見解に基づくものであり、NDIVIAはこれらの記述を更新する一切の義務を負いません。
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