建設現場の安全と生産性の向上を目指す
東京 — GTC Japan — (2017 年 12 月 13 日) — NVIDIA (NASDAQ: NVDA) と、世界の大手建設、鉱山機械メーカーであるコマツ (株式会社小松製作所) は、AI を導入することで、建設現場の安全と生産性を高めていくパートナーとして協業していくことを発表しました。
GTC Japan において、NVIDIA の創業者兼 CEO であるジェンスン フアン (Jensen Huang) によって発表された本協業では、コマツが建設現場全体を可視化し、分析するために、NVIDIA の GPU を活用していきます。NVIDIA® Jetson™ AI プラットフォームは、現場に配備される建機の頭脳のような役割を果たし、現場の安全と生産性を向上させます。
フアンは、今年世界中で開催された 7 回の GPU テクノロジ カンファレンスを締めくくる、日本の基調講演で次のように述べています。「AI は今さまざまな業界で導入されています。AI で変革する次の新たな分野は、自ら考え移動できる頭脳を持つ、自律型インテリジェント マシンといえるでしょう。将来のマシンは周辺環境を認識し、事故や故障を常に予測、警告することで、オペレーターがより効率的かつ安全に作業できるよう支援するのです。建設業や鉱業において、多大なる恩恵をもたらすでしょう。」
建設業界は、NVIDIA が業務の変革支援を目的としてこれまでに市場リーダーと契約を交わしてきた一連の業界のなかで、もっとも新しい事例となる業界です。これらのパートナーシップには、医療画像分野の GE Healthcare や Nuance、ロボット工学分野の FANUC のほか、自動運転車の実現を目指す Audi、Tesla、Toyota、Volvo をはじめとする 225 社を超える自動車メーカー、スタートアップ、研究所などが含まれます。
AI の利用に最適な建設業界
安全や生産性において課題を抱える建設業界は、AI を利用した現場の改善に特に適していると言えます。
建設現場は、重機や不整地、連続稼働などの問題が存在するため、きわめて危険な職場の 1 つに挙げられることが一般的です。昨年は日本だけでも 300 人近くの死者と、15,000 人を超える負傷者が出ています※ 1。
日本の建設業界は、高齢化と熟練工の減少などによる深刻な労働力不足に直面しており、特に困難な状況に置かれています。技能労働者約 340 万人 (2014 年時点) のうち、1/3 にあたる約 110 万人が今後 10 年間で高齢化等により離職する可能性が高いことが想定されています※ 2。
AI によるコマツのスマートコントラクション事業の拡張
これらの課題に対処するため、コマツは、2015 年以降「スマートコンストラクション」事業を展開し、建設現場に携わる人、モノ (機械、土など) についてのさまざまな情報をつなぐことで、建設現場の安全、生産性を向上させています。同事業はこれまでに累計で、国内の 4,000 以上の建設現場に導入されており、世界への展開も視野に、これからも増え続ける予定です。
コマツの常務執行役員 CTO、岩本 祐一氏は次のように述べています。「コマツは、建設現場に NVIDIA の GPU を導入し始めます。NVIDIA の画像処理や仮想化、そして AI における豊富な技術やノウハウを活用することで、建設分野を『未来の現場』に変革させることができるでしょう。」
NVIDIA の GPU はドローンやカメラと通信することで、現場全体の可視化と分析を実現する AI プラットフォームになります。GPU はコマツのパートナーである SkyCatch のドローンと通信し、3D 画像を収集して地形データを作成し、地形を可視化します。一方、IoT 管理ソフトウェア企業の OPTiM は、現場のカメラから集めた人や建機のデータを GPU で認識し、現場の地形情報に紐付けて可視化するためのアプリケーションを提供します。SkyCatch と OPTiM はいずれも、将来有望な AI 企業に対する NVIDIA の Inception プログラムに参加しているスタートアップ企業です。
この協業の中心となるのは、エッジで AI コンピューティングを提供するクレジットカード サイズのプラットフォーム、NVIDIA Jetson です。NVIDIA のクラウド テクノロジと連携する Jetson は、コマツの建機に搭載されることで、建機の周りにいる人や機械を直ちに認識できる 360°映像が提供可能となり、接触や衝突などの事故を防ぎます。
さらに Jetson は、建機の運転席に設置されているステレオ カメラにも使用され、刻一刻と変化する状況をリアルタイムに認識し、建機のオペレーターに的確な指示を与えることを可能にします。また、将来的には、機器の自動制御に加えて、建設現場や採掘現場の高解像度レンダリングや仮想シミュレーションなどに利用される予定です。
- ※ 1:
- 建設業労働災害防止協会「労働災害発生状況」
- ※ 2:
- 一般社団法人日本建設業連合会「再生と進化に向けて~建設業の長期ビジョン~」(2015 年 3 月) を基にコマツが推計
NVIDIA についての最新情報:
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NVIDIA について
NVIDIA が 1999 年に開発した GPU は、PC ゲーム市場の成長に拍車をかけ、現代のコンピューター グラフィックスを再定義し、並列コンピューティングを一変させました。最近では、GPU ディープラーニングが最新の AI、つまりコンピューティングの新時代の火付け役となり、世界を認知して理解できるコンピュータ、ロボット、自動運転車の脳の役割を GPU が果たすまでになりました。今日、NVIDIA は「AI コンピューティング カンパニー」として知名度を上げています。詳しい情報は、//www.nvidia.co.jp/ をご覧ください。
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現場の安全性と効率性の向上に役立つ AI の機能に関する記述や、複数の業界に普及する AI に関する記述、建設業界で AI を利用する利点と影響に関する記述、NVIDIA とコマツのパートナーシップで使用される NVIDIA の Jetson と GPU の機能、性能、利点、影響に関する記述、また、建設業界における AI と GPU の将来的な応用に関する記述を含め (ただし、これらに限定されません)、本プレス リリースに記載されている記述の中には、将来予測的なものが含まれており、予測とは著しく異なる結果を生ずる可能性があるリスクと不確実性を伴っています。かかるリスクと不確実性は、世界的な経済環境、サードパーティに依存する製品の製造・組立・梱包・試験、技術開発および競合による影響、新しい製品やテクノロジの開発あるいは既存の製品やテクノロジの改良、当社製品やパートナー企業の製品の市場への浸透、デザイン・製造あるいはソフトウェアの欠陥、ユーザーの嗜好および需要の変化、業界標準やインターフェイスの変更、システム統合時に当社製品および技術の予期せぬパフォーマンスにより生じる損失などを含み、その他のリスクの詳細に関しては、Form10 の 2017 年 10 月 29 日を末日とする四半期レポートなど、米証券取引委員会 (SEC) に提出されている NVIDIA の報告書に適宜記載されます。SEC への提出書類は写しが NVIDIA のウェブサイトに掲載されており、NVIDIA から無償で入手することができます。これらの将来予測的な記述は発表日時点の見解に基づくものであって将来的な業績を保証するものではなく、法律による定めがある場合を除き、今後発生する事態や環境の変化に応じてこれらの記述を更新する義務を NVIDIA は一切負いません。
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