人工知能の活用によるスマートなアプリケーションの構築が ウェブサービス大手に広がり、機械学習の作業負荷が爆発的に増大中
2015年11月10日 - カリフォルニア州サンタクララ - NVIDIA (本社:米国カリフォルニア州サンタクララ、社長兼CEO: ジェンスン・フアン(Jen-Hsun Huang)、Nasdaq:NVDA) は本日、エンドツーエンドのハイパースケール・データセンタ・プラットフォームを発表しました。ウェブサービス企業が直面する膨大な機械学習の作業負荷を高速化することができます。
NVIDIAハイパースケール・アクセラレータは、現在、ふたつあります。人工知能(AI)を活用するアプリケーションが増えていますが、ひとつは、そのディープ・ニューラル・ネットワークを研究者がすばやく開発・設計するためのものです。もうひとつは、低消費電力のアクセラレータで、開発されたネットワークをデータセンタにデプロイするためのものです。GPUアクセラレーテッド・ライブラリのスイートも用意されています。
これらを組み合わせると、パワフルなTeslaアクセラレーテッド・コンピューティング・プラットフォームを活用し、ハイパースケール・データセンタで機械学習を行い、AIベースの新たなアプリケーションを生みだすことが可能になります。
NVIDIAの共同創立者兼CEO、ジェンスン・フアン(Jen-Hsun Huang)は、次のように述べています。「人工知能は、いま、開発競争が激化しています。機械学習が、いま、コンピューティングの世界で注目の的になっていることはまちがいありません。PCのレベルでも、インターネットでも、また、クラウド・コンピューティングの世界でも、です。その結果、一般消費者向けのクラウド・サービスから自動車、ヘルスケアにいたるまで、幅広い産業で変革が次々に起きています。」
「機械学習は、いまの世代にとって一番とも言えるコンピューティング課題です。だから、NVIDIAでは、機械学習を10倍に高速化できるTeslaハイパースケール・アクセラレータ製品ラインを開発しました。データセンタで消費される時間とコストを大きく削減できるはずです。」
いま、山のようなウェブ・アプリケーションがAI機能の搭載にしのぎを削っていますが、開発されたハードウェアとソフトウェアは、そのようなアプリケーションを高速化するためのものです。機械学習が大きく進化した結果、AI手法を活用してスマートなアプリケーションやサービスを生みだせるようになったのです。
機械学習は、音声認識の精度向上にも使われています。動画や写真に写っている物やシーンを自動的に認識してタグをつけ、後々検索しやすいようにする処理にも使われています。顔の一部が不鮮明であっても、動画や写真から顔認識をすることもできます。個人の趣味や興味に対応できるアプリケーションとし、スケジュールを管理したりニュースを収集したり、さらには、普通の会話という感じで音声コマンドに精度よく対応したりすることもできます。
いずれも魔法のように思えますが、機械学習を使えば実現可能なのです。もちろん、問題もあります。次々に生みだされるディープ・ニューラル・ネットワークの進化と訓練には膨大なスーパーコンピューティング能力が必要ですし、そうして生まれたサービスに対し、消費者から寄せられる何十億件ものクエリを瞬間的に処理するにも膨大なスーパーコンピューティング能力が必要となります。それほどの能力をいかにして得るのか ―― この大きな問題に対する答えが、NVIDIAハイパースケール・アクセラレータです。この製品ラインを活用すれば、このような作業負荷をすばやく処理することも、データセンタのスループットを劇的に高めることもできます。
今回、以下の新製品がNVIDIA Teslaプラットフォームに加わりました。
- NVIDIA® Tesla® M40 GPU - ディープ・ニューラル・ネットワークのトレーニング用として開発された最もパワフルなアクセラレータです。
- NVIDIA Tesla M4 GPU - 機械学習の推論や、映像のストリーミング、動画の処理などに最適な小型・低消費電力のアクセラレータです。
- NVIDIA Hyperscale Suite - 機械学習と動画処理に最適化されたソフトウェアが豊富に用意されたスイートです。
NVIDIA Tesla M40 GPUアクセラレータ
総合的な精度を高めようと膨大な量のデータでディープ・ニューラル・ネットワークのトレーニングを行う場合、NVIDIA Tesla M40 GPUアクセラレータを使えば、何日も、あるいは何週間も所要期間を短縮することができます。主な特長は、以下のとおりです。
- 機械学習に最適化 - トレーニングに要する期間がCPUの1/8程度まで短縮されます(典型的なAlexNetトレーニングが10日かかっていたものが1.2日まで短縮される)。
- 信頼性が高く連続稼働が可能 - データセンタ環境で高い信頼性が発揮できるように開発・検証されています。
- スケールアウトのパフォーマンス - NVIDIA GPUDirectのサポートにより、マルチノード・ニューラル・ネットワークをすばやくトレーニングすることが可能です。
NVIDIA Tesla M4 GPUアクセラレータ
NVIDIA Tesla M4アクセラレータは、ハイパースケール環境専用の低消費電力GPUで、動画のトランスコーディング、静止画や動画の処理、機械学習の推論など、要求が厳しく、かつ、急速に成長しているウェブサービス・アプリケーションに最適です。主な特長は、以下のとおりです。
- 高スループット - トランスコーディングやエンハンス、分析などの処理を同時に行えるビデオ・ストリームの本数がCPUの最大で5倍となります。
- 低消費電力 - Tesla M4の消費電力は50~75ワットで(パワー・プロファイルはユーザが選択可能)、動画や機械学習アルゴリズムの処理におけるエネルギー効率がCPUの最大で10倍に達します。
- 小型 - ロープロファイルPCIeで、ハイパースケール・データセンタで使われるエンクロージャに搭載することができます。
NVIDIA Hyperscale Suite
新しいNVIDIA Hyperscale Suiteには、デベロッパ向けのツールとデータセンタ・マネジャー向けのツールが用意されています。ウェブサービスのデプロイメントを念頭に開発されたツールです。主なツールは以下のとおりです。
- cuDNN - AIアプリケーションに使われるディープ・ニューラル・ネットワークの一種、畳み込みニューラル・ネットワーク用として業界で大変注目度の高いアルゴリズム・ソフトウェアです。
- GPUアクセラレーテッドFFmpegマルチメディア・ソフトウェア - 人気のFFmpegソフトウェアを使い、動画のトランスコーディングや動画処理を高速化することができます。
- NVIDIA GPU RESTエンジン - 画像のダイナミックなリサイズ、検索の高速化、画像分類といった幅広いタスクを処理する高スループット、ローレイテンシのアクセラレーテッド・ウェブサービスを簡単に構築し、デプロイすることができます。
- NVIDIA Image Compute Engine - REST API対応のGPUアクセラレーテッド・サービスで、画像のリサイズをCPUに対して5倍の高速で行えます。
Mesosphereがサポート
Teslaアクセラレーテッド・コンピューティング・プラットフォームは業界で幅広い支持を受けていますが、今回、新たに、Mesosphereからも、NVIDIAと協力してApache MesosとMesosphere DCOS(Datacenter Operating System)でGPUテクノロジをサポートするとの発表がありました。今後、ウェブサービス各社にとって、次世代アプリケーションが動かせるアクセラレーテッド・データセンタを構築し、デプロイすることが容易になるものと思われます。
供給状況
Tesla M40 GPUアクセラレータとHyperscale Suiteソフトウェアは、年内に発売する予定です。Tesla M4 GPUは2016年第1四半期の発売を予定しています。詳しくはNVIDIA Teslaウェブサイトをご覧ください。
NVIDIAについての最新情報:
NVIDIAについて
1993年以来、NVIDIA(NASDAQ: NVDA)は、ビジュアル・コンピューティングという芸術的な科学の世界をリードしてきました。ゲーマや研究者、消費者からエンタープライズ各社にいたるまで、あらゆる人々にとって、ディスプレイの世界はインタラクティブな発見の世界へと変化しつつありますが、その源となっているのがNVIDIAのテクノロジです。詳しい情報は、//nvidianews.nvidia.co.jp/やhttps://blogs.nvidia.co.jp//をご覧ください。
本プレスリリースに記載されている、NVIDIA Tesla M40 GPU アクセラレータ、NVIDIA Tesla M4 GPU アクセラレータ、およびNVIDIA ハイパースケールを含むNVIDIAハイパースケールアクセラレータおよび機会学習とそれに関連する開発の利益・影響、は将来予測的なものが含まれており、予測とは大幅に異なる結果が生じるリスクと不確実性を伴っています。かかるリスクと不確実性は、世界的な経済環境、サードパーティーに依存する製品の製造・組立・梱包・試験、技術開発および競合による影響、新しい製品やテクノロジの開発あるいは既存の製品やテクノロジの改良、当社製品やパートナー企業の製品の市場への浸透、デザイン・製造あるいはソフトウェアの欠陥、ユーザの嗜好および需要の変化、業界標準やインターフェースの変更、システム統合時に当社製品および技術の予期せぬパフォーマンスにより生じる損失などを含み、その他のリスクの詳細に関しては、Form10-Qの2015年7月26日を末日とする四半期レポートなど、米証券取引委員会(SEC)に提出されているNVIDIAの報告書に適宜記載されます。SECへの提出書類は写しがNVIDIAのウェブサイトに掲載されており、NVIDIAから無償で入手することができます。これらの将来予測的な記述は発表日時点の見解に基づくものであって将来的な業績を保証するものではなく、法律による定めがある場合を除き、今後発生する事態や環境の変化に応じてこれらの記述を更新する義務をNVIDIAは一切負いません。
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