NVIDIA DLSS 3: AI による飛躍的な性能向上によりフレーム レートが最大 4 倍に加速

NVIDIA DLSS は、AI 超解像と GeForce RTX GPU の Tensor コアを使用して、ネイティブ解像度に匹敵する鮮明で高品質な画像を提供しながらフレームレートを向上させ、グラフィックスに革命を起こしました。DLSS のリリース以来、216 のゲームやアプリ がこの技術を取り入れ、より速いフレーム レートと、リアルタイムのビデオゲームでレイ トレーシングを実現するための性能の余地を提供しています。

本日、NVIDIA は、ニューラル グラフィックスの次の革命である NVIDIA DLSS 3 を発表することができ、とても嬉しく思っています。DLSS 超解像度、全く新しい DLSS フレーム生成、NVIDIA Reflex を組み合わせ、GeForce RTX 40 シリーズ GPU の新しいハードウェア機能で動作する DLSS 3 は、力ずくのレンダリングに比べて性能を最大 4 倍に向上します。DLSS 3 はすでにエコシステムに急速に採用されており、35 以上のゲームやアプリケーションがこの技術を統合しており、早いものは 10 月にリリースされる予定です。

初めて NVIDIA DLSS を発表したとき、NVIDIA は AI ベースの超解像度を使用してリアルタイム レンダリングを再定義することを目指しました。つまり、少ないピクセルをレンダリングし、AI を使って鮮明な高解像度画像を構築するのです。それから 2 年も経たないうちに、NVIDIA DLSS 2 を発表しました。これは、個別にトレーニングをしなくてもあらゆるゲームやシーンに適応できる汎用のニューラル ネットワークによって、画質と性能をさらに向上させたものです。DLSS 2 は現在、216 のゲームとアプリに広く採用されており、Unity と Unreal Engine にもサポートされています。DLSS 2 は、NVIDIA のAI スーパーコンピューター上で継続的にトレーニングを行うことで改善を続けており、これまでに 4 回のメジャー アップデートをリリースし、さらに画質を向上させています。

DLSS 3 は、画質と応答性を維持しながら性能を大幅に向上させる、AI 搭載グラフィックスにおける革新的なブレイクスルーです。DLSS 超解像度をベースに、DLSS 3 は全く新しいフレームを生成するオプティカル マルチ フレーム生成を追加し、最適な応答性を実現する NVIDIA Reflex 低遅延技術 を統合しています。DLSS 3 は、GeForce RTX 40 シリーズ グラフィックス カードを強化する NVIDIA Ada Lovelace アーキテクチャの新しい第 4 世代 Tensor コアとオプティカル フロー アクセラレータによって動作します。

DLSS フレーム生成畳み込みオートエンコーダーは、現在と前のゲームのフレーム、Ada のオプティカル フロー アクセラレータで生成されたオプティカル フロー フィールド、モーション ベクターや深度などのゲーム エンジンのデータの 4 つの入力を受け取ります。

Ada のオプティカル フロー アクセラレータは、連続した 2 つのゲーム内フレームを解析し、オプティカル フロー フィールドを計算します。オプティカル フロー フィールドは、フレーム 1 からフレーム 2 へピクセルが移動する方向と速度を捉えます。オプティカル フロー アクセラレータは、ゲーム エンジンのモーション ベクター計算には含まれない、パーティクル、リフレクション、シャドウ、ライティングなどのピクセルレベルの情報を取得することが可能です。下のバイクの例では、バイク運転手のモーション フローは、影が画面上のほぼ同じ場所に留まっていることを正確に表しています。

オプティカル フロー アクセラレータは、リフレクションなどのピクセルレベルのエフェクトを正確に追跡しますが、DLSS 3はゲーム エンジンのモーション ベクターも使用して、シーン内のジオメトリの動きを正確に追跡します。下の例では、ゲームのモーション ベクターは、バイクが通る道路の動きを正確に追跡していますが、バイクの影は追跡していません。エンジンのモーション ベクターのみを使用してフレームを生成すると、影にスタッタリングが発生するなど、視覚的な異常が発生します。

ピクセルごとに、DLSS フレーム生成 AI ネットワークは、ゲームのモーション ベクター、オプティカル フロー フィールド、連続したゲーム フレームからの情報を使用して、中間フレームを作成する方法を決定します。エンジンのモーション ベクターとオプティカル フローの両方を用いて動きを追跡することで、DLSS フレーム生成ネットワークは、下図のように、ジオメトリとエフェクトの両方を正確に再構成することができます。

DLSS 3 を有効にすると、AI はDLSS 超解像度で 1 フレーム目の 4 分の 3 を、DLSS フレーム生成で 2 フレーム目の全体を再構成します。全体で、DLSS 3 は表示される全ピクセルの 8 分の 7 を再構成し、性能を大幅に向上させます!

また、DLSS 3 は NVIDIA Reflex を搭載し、GPU と CPU を同期させ、最適な応答性と小さいシステム遅延を保証しています。システム遅延が小さいと、ゲームの操作の応答性が向上し、マウス クリックなどの操作の入力を行うと、画面上のアクションがほぼ瞬時に実行されます。ネイティブと比較して、DLSS 3 は遅延を最大半分に削減できます。

プレリリース バージョンの『サイバーパンク2077』の新しいレイ トレーシング: オーバードライブ モードでは、DLSS 3 により、DLSS 超解像度、DLSS フレーム生成、NVIDIA Reflex が有効になり、優れた画質を維持しながら、ネイティブ解像度に対して性能が最大 4 倍、応答性が 2 倍に向上します。

DLSS フレーム生成は GPU 上のポストプロセスとして実行されるので、ゲームが CPU によってボトルネックになっている場合でも、AI ネットワークがフレーム レートを高めることができます。物理演算が重いゲームや大規模なワールドを扱うゲームなど、CPU に制限されているゲームの場合、DLSS 3 によって GeForce RTX 40 シリーズ グラフィックス カードは CPU が計算できるフレームレートの最大 2 倍の速度でレンダリングすることができます。たとえば、『Microsoft Flight Simulator』は地球を 1:1 で再現していますが、DLSS 3 によって FPS が最大 2 倍に向上します。

さまざまなゲームやエンジンにおいて、DLSS 3 は GeForce RTX 40 シリーズの性能を従来のレンダリングと比較して最大 4 倍に向上させます。

DLSS 3 は、高度な AI ネットワークと Reflex ソフトウェア アルゴリズム、専用の Tensor コアとオプティカル フロー ハードウェア、AI ネットワークを継続的にトレーニングして改善する NVIDIA スーパーコンピューターによる総合的なゲーミング性能を提供します。GeForce RTX 40 シリーズのユーザーは、フルスタックのイノベーションによってのみ可能となる、より速いフレーム レート、素早い応答性、素晴らしい画質を手に入れることができます。

レイ トレーシングと AI 技術の組み合わせは、RTX と DLSS の発明以前には考えられなかった画質の劇的な改善と性能の大幅な向上を同時に実現し、ビデオ ゲームに革命をもたらしました。

DLSS 3 は、ゲーム向けの AI における NVIDIA の先駆的な研究を基に構築されており、性能を最大 4 倍に高め、フル レイトレース ゲームを実現し、『NVIDIA Racer RTX』で示されたように、完全にシミュレーションされた世界を楽しむ力をゲーマーに提供します。

DLSS 3 は、すでに世界の主要なゲーム開発者やエンジンから支持を受けています。35 以上のゲームやアプリケーションがサポートを表明しており、早いものは 10 月にリリースされます。

DLSS 3 ゲームは、DLSS 2 技術との後方互換性があります。DLSS 3 技術は、GeForce RTX 40 シリーズ GPU でサポートされます。DLSS 3 には、新しいフレーム生成技術、超解像 (DLSS 2 の重要な革新技術)、および Reflex の 3 つの機能が含まれています。開発者は DLSS 3 を統合するだけで、DLSS 2 はデフォルトでサポートできます。NVIDIA は、DLSS 超解像度の AI を研究およびトレーニングすることで DLSS 2 の改善を続け、DLSS の最初のリリース以来行ってきたように、すべての GeForce RTX ゲーマーにモデルのアップデートを提供する予定です。

NVIDIA Ada Lovelace アーキテクチャの他の驚異的な技術とともに、DLSS 3 は次世代の性能を提供します。GeForce RTX 40 シリーズ グラフィックス カード、新しい Ada 技術、およびそれらを組み込んだゲームの詳細については、GeForce.com をご覧ください。