NVIDIA がライフ サイエンスの研究開発を促進するための大規模言語モデルとジェネレーティブ AI サービスを発表

NVIDIA AI Foundations の一部である新しい BioNeMo クラウド サービスがライフ サイエンス研究、創薬、タンパク質工学を加速。Amgenを含む十数社のスタートアップが早期アクセスで活用

カリフォルニア州サンタクララ — GTC — 2023 年 3 月 21 日 — NVIDIA は、AI 基盤モデルをカスタマイズし、新しいタンパク質や治療薬の創出、およびゲノミクス、化学、生物学、分子動力学の分野での研究を加速するための一連のジェネレーティブ AI クラウド サービスを発表しました。

NVIDIA AI Foundations の一部である新しい BioNeMo™ クラウド サービスは、AI モデルのトレーニングと推論の両方に対応し、創薬において最も時間とコストのかかるステージを加速します。 研究者は独自のデータでジェネレーティブ AI アプリケーションをファインチューンし、AI モデルの推論を ウェブ ブラウザで直接実行したり、既存のアプリケーションに簡単に統合できる新しいクラウド アプリケーション プログラミング インターフェース (API) を介して実行したりできます。

NVIDIA のヘルスケア担当バイス プレジデント、キンバリー パウエル (Kimberly Powell) は次のように述べています。「ジェネレーティブ AI の変革力は、ライフ サイエンスおよび製薬業界において大きな可能性を秘めています。この分野のパイオニアとの NVIDIA の長期にわたるコラボレーションが、BioNeMo クラウド サービスの開発につながりました。BioNeMo クラウド サービスは、すでに AI 創薬ラボとして機能しています。これにより事前にトレーニングされたモデルが提供され、創薬パイプラインのすべての段階に役立つ独自のデータを使用してモデルをカスタマイズできるため、研究者が適切な標的を特定し、分子とタンパク質を設計して、体内での相互作用を予測して最良の医薬品候補を開発するのに役立ちます」

Amgenが初期のユーザーの1社に
世界をリードするバイオテクノロジー企業である Amgen は、すでにこのサービスを使用して研究開発の取り組みを進めています。

「BioNeMo は、生物製剤の発見へのアプローチを劇的に加速させています」と、AmgenのBiologics Therapeutic Discovery, Center for Research Acceleration by Digital Innovationのエグゼクティブ ディレクターであるPeter Grandsard氏は述べます。 「これにより、Amgen独自のデータで分子生物学用の大規模言語モデルを事前トレーニングできるため、我々は患者を助ける次世代の医療のための治療用タンパク質を探索および開発できるようになるのです」

ジェネレーティブ AI が創薬パイプラインを強化
BioNeMo Cloud サービスには、研究者が医薬品開発のための AI パイプラインを構築するのに役立つ事前トレーニング済みの 複数のAI モデルが含まれています。 これらのモデルは、新しい治療候補のデータ駆動型の薬剤設計をサポートするために、Evozyne や Insilico Medicine などの創薬企業に採用されています。

ジェネレーティブ AI モデルは、潜在的な薬物分子を迅速に特定することが可能です。場合によっては、化合物またはタンパク質ベースの治療法をゼロから設計します。 低分子、タンパク質、DNA および RNA 配列の大規模なデータセットでトレーニングされたこれらのモデルは、タンパク質の 3D 構造と、分子が標的タンパク質とどの程度結合するかを予測できます。

BioNeMo サービスの早期アクセスで利用可能な新しいジェネレーティブ AI モデル
BioNeMo には、発表済みの MegaMolBART 生成化学モデル、ESM1nv タンパク質言語モデル、および OpenFold タンパク質構造予測モデルに加えて、6つの新しい最適化されたオープンソース モデルが今回追加されました。

  • AlphaFold2: DeepMind が開発した、与えられたアミノ酸配列からタンパク質の構造を予測するディープ ラーニング モデル。
  • DiffDock: 薬物分子が標的タンパク質とどのように結合するかを研究者が理解できるように、このモデルは低分子の 3D 方向とドッキング相互作用を高い精度と計算効率で予測します。
  • ESMFold: このタンパク質構造予測モデルは、Meta AIESM2 タンパク質言語モデルを使用しており、複数の類似配列の例を必要とせずに、単一のアミノ酸配列に基づいてタンパク質の 3D 構造を推定できます。
  • ESM2: このタンパク質言語モデルは、タンパク質の構造予測、特性予測、分子ドッキングなどのダウンストリーム タスクに役立つタンパク質の機械表現を推測するために使用されます。
  • MoFlow: 分子の最適化と低分子の生成に使用されるこの生成化学モデルは、分子をゼロから作成し、潜在的な治療法のための多様な化学構造を導き出します。
  • ProtGPT-2: この言語モデルは、研究者が独自の構造、特性、および機能を持つタンパク質を設計するのに役立つ新しいタンパク質配列を生成します。

BioNeMo Service を使用すると、インタラクティブな推論とタンパク質構造の視覚化のために、ブラウザベースのインターフェースを介してこれらの生成 AI モデルに簡単にアクセスできます。 また、BioNeMo を NVIDIA DGX™  Cloudのスーパーコンピューティング リソースと組み合わせることで、研究者は、NVIDIA Base Command™ PlatformNVIDIA AI Enterprise ソフトウェア スイートを使用して、完全に管理されたソフトウェア サービスでモデルをカスタマイズできます。

製薬会社やスタートアップ企業が BioNeMo を利用して AI ワークフローを最適化
製薬会社や創薬スタートアップは、現在 BioNeMo を使用しており、その多くがすでに大きな成果を上げています。

Amgen は、抗体に関する独自のデータを使用して、BioNeMo の ESM モデル アーキテクチャを事前にトレーニングし、ファイン チューンしました。 同社はDGX Cloud を使用することで、分子のスクリーニングと最適化のために 5 つのカスタム モデルをトレーニングするのにかかる時間を 3 か月から数週間に短縮することができました。

シカゴを拠点とするバイオテクノロジー企業であり、最先端のスタートアップ向けの NVIDIA Inceptionプログラムのメンバーである Evozyne の研究者は、NVIDIA と協力して、Protein Transformer Variational AutoEncoder と呼ばれる BioNeMo ベースのディープラーニング モデルを開発しました。 Evoyzne 独自のタンパク質データに基づいてファインチューンされたジェネレーティブ AI モデルにより、自然界に存在する酵素と比較して性能が大幅に向上した合成バリアントの設計が可能になります。

NVIDIA Inception のプレミア メンバーである Insilico Medicine は、BioNeMo を使用して、従来は 4 年以上かかり、約 5 億ドルの費用がかかる初期の創薬プロセスを加速しています。 ジェネレーティブ AI をエンドツーエンドで使用することで、Insilico は前臨床候補薬 を 3 倍速く、200 倍低コストに特定することができました。 この薬は、まもなく患者を対象とした第 2 相臨床試験に入る予定です。

BioNeMo への早期アクセスにはこちらからお申込みください。

3 月 23 日までオンラインで開催されている GTC で、Amgen の講演者による 3 つのセッション、Evozyne の講演者によるセッション、DeepMind によるAlphaFold のセッションなど、AI とヘルスケア の最新情報をご覧ください。登録は無料です。

NVIDIA の創業者/CEO であるジェンスン フアン (Jensen Huang) による、BioNeMo Cloud サービスについてのご紹介は、GTC 基調講演のリプレイをご覧ください。

NVIDIA について
1993 年の設立以来、NVIDIA (NASDAQ: NVDA) はアクセラレーテッド コンピューティングのパイオニアです。同社が 1999 年に発明した GPU は、PC ゲーム市場の成長を促進し、コンピューター グラフィックスを再定義して、現代の AI の時代に火をつけながら、メタバースの創造を後押ししています。NVIDIA は現在、業界を再形成しているデータセンター規模の製品を提供するフルスタック コンピューティング企業です。詳細については、https://nvidianews.nvidia.com/ を参照してください。

Amgen、Evozyne、および Insilico Medicine とのコラボレーションの利点、影響、パフォーマンス、機能、および可用性、新しい BioNeMo クラウド サービス オファリングなどの NVIDIA AI Foundations、MegaMolBART 生成化学モデルを含む BioNeMo モデル、ESM1nv タンパク質言語モデル、OpenFold タンパク質構造予測モデル、AlphaFold2、DiffDock、ESMFold、ESM2、MoFlowおよび ProtGPT-2を含むBioNeMoモデル、NVIDIA DGX Cloud、NVIDIA Base Command Platform、および NVIDIA AI Enterprise ソフトウェア スイートを含むNVIDIAの製品およびテクノロジの利点、影響、パフォーマンス、提供予定、ジェネレーティブ AI の変革力が、ライフ サイエンスおよび製薬業界において大きな可能性を秘めていること、 製薬会社や創薬スタートアップ企業が現在 BioNemo を使用しており、その多くで大きな成果が見られていること、患者を対象とした第 2 相臨床試験に間もなく入る前臨床候補薬についてなど、(ただし、これらに限定されません)、本プレス リリースに記載されている記述の中には、将来予測的なものが含まれており、予測とは著しく異なる結果を生ずる可能性があるリスクと不確実性を伴っています。かかるリスクと不確実性は、世界的な経済環境、サードパーティに依存する製品の製造・組立・梱包・試験、技術開発および競合による影響、新しい製品やテクノロジの開発あるいは既存の製品やテクノロジの改良、NVIDIA 製品や協業企業の製品の市場への浸透、デザイン・製造あるいはソフトウェアの欠陥、ユーザーの嗜好および需要の変化、業界標準やインターフェイスの変更、システム統合時に NVIDIA 製品および技術の予期せぬパフォーマンスにより生じる損失などを含み、その他のリスクの詳細に関しては、Form 10-K での NVIDIA のアニュアル レポートならびに Form 10-Q での四半期レポートなど、米証券取引委員会 (SEC) に提出されている NVIDIA の報告書に適宜記載されます。SEC への提出書類は写しが NVIDIA の Web サイトに掲載されており、NVIDIA から無償で入手することができます。これらの将来予測的な記述は発表日時点の見解に基づくものであって将来的な業績を保証するものではなく、法律による定めがある 場合を除き、今後発生する事態や環境の変化に応じてこれらの記述を更新する義務を NVIDIA は一切負いません。

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