GSK、アストラゼネカ、Guy’s and St Thomas’ NHS Foundation Trust、ロンドン大学キングス カレッジ、Oxford Nanopore が、NVIDIA の新しい「Cambridge-1」スーパーコンピューターを活用
2020 年 10 月 5 日、カリフォルニア州サンタクララ — GTC — NVIDIA は本日、英国で最もパワフルなスーパーコンピューターを構築していると発表しました。AI を使ってCOVID-19 に代表される喫緊の医療課題を解決しようとしている英国の医療研究者が、このスーパーコンピューターを利用することができます。
年末までに完成する予定となっている、この「Cambridge-1」スーパーコンピューターは、400 PFLOPS 以上の AI 性能と 8 PFLOPS 以上の Linpack 性能を持つ、NVIDIA DGX SuperPOD™ システムであり、その性能は、最新の世界で最も高性能なスーパーコンピューター TOP500 リストで 29 位に相当します。また Cambridge-1 は、現在の Green500 リストで、世界で最もエネルギー効率の良いスーパーコンピューターのトップ 3 に入るでしょう。
研究のために Cambridge-1 を最初に利用する製薬会社は、GSK および アストラゼネカ となっています。さらに、Guy’s and St Thomas’ NHS Foundation Trust、ロンドン大学キングス カレッジおよび Oxford Nanopore の研究者も、このシステムの利用を予定しています。
GPU Technology Conference の基調講演のなかで、NVIDIA の創業者/CEO であるジェンスン フアン (Jensen Huang) は、次のように述べています。「世界で最も緊急を要する、医療の課題に対処するには、AI の能力を活用できる、きわめてパワフルなコンピューティング リソースが必要になります。Cambridge-1 スーパーコンピューターは、英国のイノベーションのハブになるとともに、重要な医療および創薬で英国の研究者たちが成し遂げようとしている、画期的な作業をさらに後押しするでしょう」
NVIDIA は以前に、ケンブリッジに AI Center of Excellence を設立する計画があることを発表しています。このセンターには、Arm ベースの新しいスーパーコンピューターが置かれ、英国中の AI 研究者、科学者およびスタートアップ企業のコラボレーションの中心となることが期待されています。このような計画が進展するなか、Cambridge-1 スーパーコンピューターが、この Center of Excellence のなかに組み込まれることになりました。また、このセンターには、さらなるスーパーコンピューターが設置され、英国内のより多くの業界を支援するように拡充される予定です。
4 つの重点エリア このシステムのミッションは、変革的な医療研究および創薬の中心地となっている、英国の医療およびライフサイエンス研究者たちのエコシステムを支援し、活動をさらに発展させることにあります。その 4 つの重点エリアは、以下のようになります。
Cambridge-1 AI Cambridge-1 は、外部の研究に利用されることを想定して設計および構築された、初の NVIDIA スーパーコンピューターとなります。80 台のNVIDIA DGX A100™ システムが NVIDIA Mellanox® InfiniBand ネットワークによって接続されている Cambridge-1 により、研究者および大学関係者は、最も困難な AI トレーニング、推論およびデータ サイエンスの大規模ワークロードに取り組むことができるようになります。従来のスーパーコンピューターは導入に数年を要していましたが、モジュラー形式の DGX SuperPOD では、わずか数週間でシステムを設置し、稼働させることができます。NVIDIA は、Cambridge-1 におよそ 4,000 万ポンドを投資する予定です。
スマート創薬のための NVIDIA CLARA NVIDIA は、NVIDIA Clara Discovery™ を研究者が利用できるように支援します。NVIDIA Clara Discovery は、NVIDIA DGX™ に最適化された、最先端のツール群で構成されており、NVIDIA DGX™ は医用画像、放射線医学およびゲノミクスのパワーを結集することで、医療のコンピュテーション上の最大の課題に対処できる AI アプリケーションの開発を可能にします。
NVIDIA Clara Discovery には、研究者がターゲットの発見から化合物の構築、反応の開発に至る、次世代の創薬プロセスを定義できるようになることを想定した、事前にトレーニングされた AI モデルとアプリケーション固有のフレームワークが実装されています。
自然言語処理における最近のブレイクスルーにより、研究者は、生物医学に固有の言語モデルを活用して、大規模なデータセット、調査文献を整理、理解、活用し、さらに既存の治療法についての論文または特許、ならびに現実世界の他の重要なデータを分類できるようになっています。
英国のリーダーたちと医療研究を加速 トップクラスの製薬企業、技術系スタートアップ企業および学術研究のメンバーたちが、科学の限界を押し広げる単独および共同のプロジェクトで Cambridge-1 を使用する計画を立てており、世界中でより良い患者ケア、診断、重要な薬剤とワクチンの提供をさらに推し進めようとしています。
以下のようなそれぞれの組織と人物が、既存のプロトコルと治療法を AI によって飛躍的に発展させるという、現代医療についてのビジョンを持っています。
GSK 社最高科学責任者兼研究開発担当社長、ハル バロン (Hal Barron) 博士のコメント: 「AI および機械学習は、これまで見えなかったものを科学者が見えるようにする、新しい顕微鏡のようなものです。コンピューティングに対する NVIDIA の投資、ならびにディープラーニングのパワーにより、ライフサイエンス業界の最も大きな課題のいくつかに対するソリューションが生み出せるようになり、私たちは患者さんたちに画期的な薬剤やワクチンを継続的に届けられるようになるでしょう。GSK のロンドンにある新しい AI ハブが設立されたのと同じくらい、これらの先進テクノロジが利用可能になり、英国の優れた科学者を支援してくれるのを喜ばしく思っています」
アストラゼネカ社データサイエンスおよび AI 担当ヘッド、ジェームス ウェザーロール (James Weatherall) 博士のコメント: 「ビッグデータ、スーパーコンピューティングおよび人工知能の利用により、ターゲットの識別から診療研究、新しい薬剤の誕生に至るすべての道のりで、研究と開発が変容する可能性があります」
ロンドン大学キングス カレッジ医用生体 画像診断学部ヘッド、セバスチャン オスフラン (Sebastien Ourselin) 氏のコメント: 「AI における最近の進歩により、ますますパワフルなモデルが登場するようになり、画像認識や自然言語理解といった、複雑なタスクに使用されています。これらのモデルは、モデル当たり数百万時間の GPU 時間を蓄積した、かつてないスケールの計算能力によって、過去には想像もできなかった性能を発揮しています。今回の提携によって、このようなスケールの演算能力が医療研究で初めて利用できるようになります。これは患者の健康と治療経過を向上させる、まさに画期的な成果をもたらすでしょう」
Guy’s and St Thomas’ NHS Foundation Trust 信託部門最高経営 最高医療ディレクター、イアン アッブス (Ian Abbs) 氏のコメント: 「AI が患者ケアの目的で広く使用されるようになれば、正確さ、堅牢さおよび安全性が最重要の課題となります。私たちには、AI の研究者たちが、NHS が提供すべき、最大で、最も包括的なデータセット、私たちの診断における専門性、ならびにデータを正しく処理できる演算インフラストラクチャにアクセスできるようにしなければなりません。このアプローチは必要であるだけでなく、医療で AI を活用するための唯一の倫理的な方法でもあります。AI がより進歩すると、患者ケアも向上されるようになるでしょう」
Oxford Nanopore Technologies 社 CEO、ゴードン サンゲラ (Gordon Sanghera) 氏のコメント: 「コンパクトな AI により、手のひらの上で遺伝子配列データの分析をリアルタイムで行えるようなっており、AI スーパーコンピューターは、大規模なゲノム データセットでの新しい科学的発見を可能にしようとしています。データ分析におけるこれらの補完的なイノベーションが、影響力のある英国の多様な科学を支えています。さらに重要なのは、これらがゲノム解析をどこでも誰にでもできるようにするという、我々の目標を後押ししているということです」
保健社会福祉省長官であるマット・ハンコック氏は次のように述べています。「今日のNVIDIAからの発表は、英国の世界をリードするヘルスケア産業にとって胸を躍らせる瞬間であり、研究、AI、イノベーションのインターナショナル センターとして英国に大きな信頼を寄せている表明です。創薬を加速させることはこれまでになく重要であり、このような投資が無数の病気との闘いに真の効果をもたらします。私がテクノロジを気にかけているのは、人々のことを気にかけているからであり、NVIDIAの新しいスーパーコンピュータは、人命を救う研究を行うために、英国の優秀な人材を支援してくれれるからです。」
NVIDIA について 1999 年における NVIDIA (NASDAQ 表示: NVDA) による GPU の発明は、PC ゲーミング市場の成長に爆発的な拍車をかけ、現代のコンピューター グラフィックスを再定義し、並列コンピューティングに革命的変化を起こしました。最近では、GPU ディープラーニングが最新の AI (次世代コンピューティング) に火をつけ、世界を知覚し理解することができるコンピューター、ロボット、自律走行車の脳として GPU は機能しています。詳細は、こちらのリンクから: www.nvidia.com/ja-jp/
Cambridge-1 スーパーコンピューターの利益、性能、機能、可用性およびその初期ユーザーと NVIDIA の投資、非常に高機能なコンピューティングリソースを要求される世界で最も差し迫った医療の課題に取り組むこと、NVIDIA の AI Center of Excellence が AI 研究者、科学者およびスタートアップ企業のコラボレーションのハブとなること、およびその影響とその主要なエリアとなること、Cambridge-1 が Center of Excellence の一部となること、NVIDIA が NVIDIA Clara Discovery™ を研究者が利用できるように支援すること、NVIDIA Clara Discovery の利益および影響、製薬企業、技術系スタートアップ企業および学術研究のメンバーが Cambridge-1 を使用する計画を立てていること、AI および機械学習がこれまで見えなかったものを科学者に見えるようにすること、コンピューティングに対する NVIDIA の投資の影響、および大規模な演算能力が患者の健康と治療経過を変容させるようになることなど、本プレスリリースにおける一定の記載は将来の見通しに関する記述であり、予測とは著しく異なる結果を生ずる可能性があるリスクと不確実性を伴っています。かかるリスクと不確実性は、世界的な経済環境、サードパーティに依存する製品の製造・組立・梱包・試験、技術開発および競合による影響、新しい製品やテクノロジの開発あるいは既存の製品やテクノロジの改良、当社製品やパートナー企業の製品の市場への浸透、デザイン・製造あるいはソフトウェアの欠陥、ユーザーの嗜好および需要の変化、業界標準やインターフェイスの変更、システム統合時に当社製品および技術の予期せぬパフォーマンスにより生じる損失などを含み、その他のリスクの詳細に関しては、Form 10-K での NVIDIA のアニュアル レポートならびに Form 10-Q での四半期レポートなど、米証券取引委員会 (SEC) に提出されている NVIDIA の報告書に適宜記載されます。SEC への提出書類は写しが NVIDIA の Web サイトに掲載されており、NVIDIA から無償で入手することができます。これらの将来予測的な記述は発表日時点の見解に基づくものであって将来的な業績を保証するものではなく、法律による定めがある 場合を除き、今後発生する事態や環境の変化に応じてこれらの記述を更新する義務を NVIDIA は一切負いません。
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