NVIDIA FleX なしでは実現できなかった VR の SF ミステリー「Torn」をご紹介します

執筆者: Dave Prout 投稿日: 2018年8月28日火曜日 | 特集記事 NVIDIA GameWorks 仮想現実

あなたが「ブラック・ミラー」のエピソードに入り込んだらどうなるでしょう。「ブラック・ミラー」の影響を受けた VR タイトル、「Torn」ではそれが体験できるのです!

VR ゲームの「Torn」は、物語形式のパズル ゲームとして始まりますが、やがてミステリアスな邸宅とその持ち主の真実が少しずつ明らかになるにつれ、キャラクター主導のダークなストーリーとして展開します。

ゲーム開始時に登場するのは Katherine Patterson です。彼女はこの誰もいない邸宅に迷い込み、間もなく別の次元への入り口を見つけます。別次元に移動した時、彼女はきらめく液体に出会います。それは話し、感情を表し、身振りを見せ、移動し、また恩着せがましく助けたりもします。この液体は、肉体を抜け出た Dr. Lawrence Talbot の意識なのです。Talbot は、写真のようにリアルな「Torn」の世界同様、NVIDIA FleX がなければ存在できません。

 

私達は、導入部のストーリーにリアリズムと本物らしさを結びつけ、思わず引き込まれるようなものにしたいと考えました。多くの傑作ゲーム同様、「Torn」の出だしは周囲の探索から始まります。開発途中で私達は FleX に出会いました。非常に良くできているのですが、私達の知る限り、少なくともその時点では VR ゲームに使われていませんでした。私達は液体の設定を様々に試し、液体を生き生きと動かせることを確認しました。また、液体の波紋が唇の動きに似ていることに気づき、音声トラックを液体にマッピングしました。そこで考えたのです。これをキャラクターにできないだろうか?

 

これをきっかけに、実験の失敗により肉体を失った科学者 (Talbot) のアイディアが生まれました。彼の肉体を取り戻す手助けを目的とするのはどうだろうか。彼の住居を訪れ、奇妙な機械やぎょっとするような実験を目にするのはどうか、と考えました。Talbot は元気よく話し、物の周囲にまとわりついたり、空間を移動したり、プレイヤーに触られると反応したりします。私達は必ずしも突飛なものを探していたわけではないのですが、Talbot はテクノロジの威力を見せるにはうってつけでした。FleX を知ってからすぐに、「Torn」の世界が形になり始めました。

1 年が過ぎる頃には、FleX はこの洗練されたゲームの世界を実現するのに必須のツールとなったのです。その過程は簡単ではありませんでしたが、FleX は 「Torn」に、他の手段ではできないようなレベルのリアリティを与えました。プレイヤーは、ゲーム内世界で驚くほど現実に近い行動が取れます。無重力状態の液体をはね飛ばしたり、クモの巣を手で払ったり、カーテンを開いたり、台所で小麦粉の袋を取り出したり、寝室で枕を投げつけたり、100 メートルの長さのへその緒を宙に浮かせたりできるのです。

 

開発者としては、FleX のようなパワフルで役立つ新ツールを知るのは実に楽しいものでした。その成果は最終的な製品にも表れていると思います。FleX を使おうと思っている開発者は、いろいろなオブジェクトで試して、納得がいくまで細部を詰めてみてください。つまり、かなりの繰り返し作業とフィードバックが必要になります。粒子を増やしすぎると、液体が安定しなくなります。摩擦係数が低すぎると、毛布がベッドからずり落ちたりします。風が強すぎれば、カーテンがちぎれ飛んでしまうでしょう。プレイヤーが部屋に入った時に、まず目に入るものは何か。それにどのような、本物らしい挙動をさせるか。そこを考えましょう。

ぜひ自分で「Torn」のミステリアスな世界を体験してください。感想は #EnterTheMansion (邸宅に入ろう) で!SteamVRPS VROculus で利用できます。