NVIDIA、2022 年会計年度第 3 四半期の業績を発表

  • 売上高は過去最高の 71 億ドルで、前年度より 50% 増
  • データセンターの売上高は過去最高の 29 億 4,000 万ドルで、前年度より 55% 増
  • ゲーミングの売上高は過去最高の 32 億 2,000 万ドルで、前年度より 42% 増

NVIDIA (NASDAQ: NVDA) は、2021 年 10 月 31 日に終了した第 3 四半期の売上高が 71 億ドルになったことを発表しました。前年同期から 50% 増加、前四半期から 9% 増加し、ゲーミング、データセンター、プロフェッショナル ビジュアライゼーションの市場プラットフォームが過去最高の売上高を記録しました。

米国 GAAP に基づく業績では、第 2 四半期の希薄後 1 株当たりの利益は、前年同期から 83% 増加して過去最高の 0.97 ドルとなり、前四半期からは 3% の増加となりました。非 GAAP に基づく希薄後 1 株当たりの利益は、前年同期から 60% 増加して 1.17 ドルとなり、前四半期からは 13% の増加となりました。

NVIDIA の創業者/CEO であるジェンスン フアン (Jensen Huang) は、次のように述べています。「第 3 四半期の業績は、売上高が過去最高を記録し、素晴らしい結果となりました。NVIDIA AI の需要は、ハイパースケールおよびクラウドのスケールアウトに牽引されて急増しており、25,000 社以上の企業に採用されています。NVIDIA RTX は、レイトレーシングおよび AI によってコンピューター グラフィックスを再発明しており、ゲーマーやクリエイター、ならびにホーム ワークステーションを構築するデザイナーやプロフェッショナルを含む大規模な成長市場にとって理想的なアップグレードです。」

「NVIDIAの GTC イベント シリーズは、拡大するNVIDIAのアクセラレーテッド コンピューティングの世界を披露する場です。直近のGTCは、これまでで最も成功したイベントであり、サプライチェーン ロジスティクス、サイバーセキュリティ、自然言語処理、量子コンピューティングの研究、ロボティクス、自動運転車、気候科学およびデジタル バイオロジーなどのさまざまアプリケーションに焦点が当てられました。」

「GTC では、Omniverseが主要なテーマであり、私たちは、仮想世界へ没入できるようになった時に可能となる未来を示しました。Omniverseは、デザイン コラボレーション、顧客サービス向けのアバターやビデオ会議、そして工場、処理プラント、さらには都市全体のデジタル ツインの作成に至るまで活用されます。Omniverseは、AI、シミュレーション、グラフィックスおよびコンピューティング インフラストラクチャにおける NVIDIA の専門知識を統合します。これは、来るべき未来の一部にすぎません。」

NVIDIA は、第 3 四半期に 1 億ドルの四半期現金配当を支払いました。2021 年 12 月 2 日を配当基準日として、2021 年 12 月 23 日に 1 株当たり 0.04 ドルの次回四半期現金配当を支払う予定です。

2022 年会計年度第 3 四半期の概要

GAAP ベース
(単位: 百万ドル 1 株当たりのものを除く) Q3 FY22 Q2 FY22 Q3 FY21 Q/Q Y/Y
売上高 $7,103 $6,507 $4,726 9% 増 50% 増
売上高総利益率  65.2%  64.8%  62.6% 40 bps
260 bps
営業費用 $1,960 $1,771 $1,562 11% 増 25% 増
営業利益 $2,671 $2,444 $1,398 9% 増 91% 増
純利益 $2,464 $2,374 $1,336 4% 増 84% 増
希薄後 1 株当たりの利益* $0.97 $0.94 $0.53 3% 増 83% 増
非 GAAP ベース
(単位: 百万ドル 1 株当たりのものを除く) Q3 FY22 Q2 FY22 Q3 FY21 Q/Q Y/Y
売上高 $7,103 $6,507 $4,726 9% 増 50% 増
売上高総利益率  67.0%  66.7%  65.5% 30 bps
150 bps
営業費用 $1,375 $1,266 $1,101 9% 増 25% 増
営業利益 $3,386 $3,071 $1,993 10% 増 70% 増
純利益 $2,973 $2,623 $1,834 13% 増 62% 増
希薄後 1 株当たりの利益* $1.17 $1.04 $0.73 13% 増 60% 増

*ここで表示された 1 株当たりの金額はすべて、2021 年 7 月 19 日に有効となった 1 対 4 の株式分割を反映するため遡及的に調整されています。

2022 年会計年度第 4 四半期については、以下のように予想されます。

  • 売上高は、74 億ドル ±2% となる見込みです。
  • 売上高総利益率は、GAAP ベースが 65.3% ± 0.5%、非 GAAP ベースが 67.0% ± 0.5% となる見込みです。
  • 営業費用は、GAAP ベースが約 20 億 2,000 万ドル、非 GAAP ベースが約 14 億 3,000万ドルとなる見込みです。
  • GAAP ベースおよび非 GAAP ベースのその他の利益および費用は、費用が約 6,000 万ドルとなる見込みです (非関連会社への投資の損益は除く)。
  • GAAP 税率および非 GAAP 税率は、ともに 11.0% ± 1% となる見込みです (株式報酬に関連した税制優遇措置の過不足などの個別項目は除く)。

ハイライト
11月8日~11日まで開催された GTC で、NVIDIA は以下の発表を行いました。

AI ソフトウェア

  • 65 個の新規または更新されたソフトウェア開発キット:物理機械学習モデルの開発フレームワークである NVIDIA Moudulus、車両のルート計画および物流の最適化のための高速ソルバーである NVIDIA ReOpt、ならびに大規模で拡大中の Python NumPy エコシステムにアクセラレーテッド コンピューティングをもたらす NVIDIA cuNumeric を含む、改善された機能や性能を持つソフトウェアをデータ サイエンティスト、研究者および開発者に提供します。
  • 大規模な言語モデルの開発および導入ツール:何兆個ものパラメータを有するモデルのトレーニングのための NVIDIA NeMo Megatron、新しいドメインおよび言語に合わせてトレーニングができるカスタム可能な大規模言語モデル (LLM) である Megatron 530B、ならびにマルチ GPU とマルチノードの分散推論機能を備えた NVIDIA Triton Inference Server™。
  • すべての AI モデルおよびフレームワーク上でクロスプラットフォーム推論を提供するオープン ソースの NVIDIA Triton Inference Server ソフトウェアと、AI モデルを最適化する NVIDIA TensorRT™ の新機能。
  • NVIDIA BlueField DPU、NVIDIA DOCA および NVIDIA Morpheus サイバーセキュリティ プラットフォームで構成されるゼロトラスト サイバーセキュリティ プラットフォーム により、サイバーセキュリティ業界は顧客のデータセンターをリアルタイムで防御するソリューションを構築することが可能となります。
  • NVIDIA Riva AI ソフトウェアにおいて、企業がカスタムしたテキスト読み上げを実用化する機能を持つ NVIDIA Riva Custom Voice。NVIDIA Riva Enterprise は、来年初めにも企業による商業利用が可能となり、仮想アシスタントおよびビデオ会議などのさまざまなアプリケーションへ適用できるようになります。

Omniverse

  • 音声AI、コンピューター ビジョン、自然言語理解、レコメンダー エンジンおよびシミュレーション技術の分野におけるNVIDIAの技術を結び付け、インタラクティブな AI アバターを生み出すプラットフォームである NVIDIA Omniverse Avatar
  • ディープ ニューラルネットワークをトレーニングするための物理的にシミュレートされた合成データを生み出す合成データ生成エンジンである NVIDIA Omniverse Replicator

ネットワーク

  • 極めて高性能で、広範な接続性を有し、かつ、クラウド コンピューティング プロバイダーおよびスーパーコンピューティング センターが必要とする強固なセキュリティを備える、エンドツーエンドの 400Gbps InfiniBand ネットワーキング プラットフォームである NVIDIA Quantum-2

オートモーティブ/ロボティクス/ヘルスケア

  • NVIDIA DRIVE Orin でAI プラットフォームとして構築され、Omniverse Avatar によって車内のデジタル エクスペリエンスに変革を起こし、高速道路および市街地での安全な自動運転を可能にするインテリジェント テクノロジであるNVIDIA DRIVE Concierge および DRIVE Chauffeur
  • 自動運転システム用のコンピューター アーキテクチャおよびセンサー セットである NVIDIA DRIVE Hyperion 8
  • 世界で最も小さく最も強力で、かつ、最もエネルギー効率の良い、ロボティクス、自律動作マシン、医療機器等のための AI スーパーコンピューターである NVIDIA Jetson AGX Orin™。
  • アップグレード可能でスケーラブル、かつ、ストリーミングされたデータのエンドツーエンドの処理性能を備えたソフトウェア アズ ア サービス (SaaS) を導入する医療機器メーカー向けのAI コンピューティング プラットフォームである NVIDIA Clara Holoscan

また、前四半期の業績発表以降も、以下の分野での進展がありました。

ゲーミング

データセンター

  • 第 3 四半期売上高は過去最高の 29 億 4,000 万ドルで、前年同期から 55% 増加し、前四半期から 24% 増加しました。
  • 世界的な気候変動危機への対応に特化した AI スーパーコンピューター、 Earth-2 を構築する計画を発表しました。
  • VMware vSphere を運用する何十万社もの企業が NVIDIA-Certified Systems™ 上で AI ワークロードを仮想化するためのAI ツールおよびフレームワークの包括的ソフトウェア スイートである NVIDIA AI Enterprise の一般提供開始を発表しました。
  • アクセラレーテッド インフラストラクチャ上で機能し、最適化されたソフトウェアへの即時アクセスを提供する NVIDIA LaunchPad の展開を北米から 9 つのグローバル拠点にまで拡大しました。
  • データ、パイプラインおよびテンサー スライシング ベースの並列化を組み合わせることを可能にする効率的かつスケーラブルな 3D 並列システムを構築するための、NVIDIA Megatron-LM と Microsoft DeepSpeed によるコラボレーションについて提示しました。
  • NVIDIA AI Enterprise プラットフォーム上で Tanzu を通じて VMware vSphere のトライアルをサポートするための、VMware とのさらなる協働を発表しました。
  • 米国エネルギー省アルゴンヌ国立研究所における最大の GPU ベースのスーパーコンピューター、Polaris にNVIDIA のアクセラレーテッド コンピューティング プラットフォームが実装され、およそ 1.4 エクサフロップス の AI 性能を達成できるようになることを発表しました。

プロフェッショナル ビジュアライゼーション

  • 第 3 四半期売上高は過去最高の 5 億 7,700 万ドルで、前年同期から144% 増加、前四半期から 11% 増加しました。
  • NVIDIA Omniverse Enterprise が、AR、VR およびマルチ GPU レンダリング機能とあわせて一般提供が開始されたこと、ならびにデジタル ツイン アプリケーション向けに Bentley Systems および Esri に採用されることを発表しました。

オートモーティブ

  • 第 3 四半期売上高は 1 億 3,500 万ドルで、前年同期から 8% 増加、前四半期から 11% 減少しました。
  • NVIDIA DRIVE Orin が自動運転トラック会社の Kodiak Robotics、自動車メーカーの Lotus、自動運転ソリューション プロバイダーの QCraft および電気自動車 (EV) スタートアップの WM Motor により採用されていることを発表しました。

NVIDIA CFO によるコメント

NVIDIA のエグゼクティブ バイス プレジデント兼最高財務責任者 (CFO) であるコレット クレス (Colette Kress) による本四半期に関するコメントを https://investor.nvidia.com/ でご覧いただくことができます (英語)。

カンファレンス コールおよび Web キャスト情報

第 3 四半期の業績とおよび現在の財務見通しについてのアナリストおよび投資家とのカンファレンス コールは、NVIDIA のインベスター リレーションズ Web サイト、https://investor.nvidia.com でアクセス可能です。Web キャストは録音され、NVIDIA の第 4 四半期決算および 2022 年度通期決算についてのカンファレンス コールが開催されるまで再生できます。

非 GAAP 財務指標について

NVIDIA では、GAAP ベースの要約連結財務諸表に加え、一部の項目については非 GAAP ベースの財務指標を使用しています。使用している非 GAAP 財務指標は、非 GAAP ベースの売上高総利益、非 GAAP ベースの売上高総利益率、非GAAP ベースの営業費用、非 GAAP ベースの営業利益、非 GAAP ベースのその他の利益 (費用) (純額)、非 GAAP ベースの純利益、非 GAAP ベースの希薄後 1 株当たり純利益あるいは利益、ならびにフリー キャッシュ フローです。また、現在と過去の財務指標が比較しやすいように、GAAP ベースの財務指標と非 GAAP ベースの財務指標がどのような関係にあるのかも明らかにしています。この情報を活用すれば、関連する GAAP 財務指標から、株式報酬費用、買収関連およびその他の費用、IP 関連費用、関連会社以外への投資による損益、減債償却に関連する支払利息、該当する場合にはこれらの項目に関連して発生する税金の影響、ならびに州法の認可を受けた税制優遇措置を除外することができます。フリー キャッシュ フローは、営業活動の収益から不動産や設備、無形資産に関連する購入費と不動産や設備、無形資産に関連する主な支払いの両方を差し引いた GAAP ベースのキャッシュ純額として算出されます。非 GAAP 財務指標の提示は、過去から続く財務状況の変遷を理解しやすくするものであると NVIDIA では考えています。なお、NVIDIA が提示している非 GAAP 財務指標はそれのみを独立して見るべきものでもなければ、GAAP ベースで用意された業績を代替するものでもありません。また、NVIDIA が提示する非 GAAP 財務指標は、他社が提示する非 GAAP 財務指標とは異なる可能性があります。

より詳細な 2022 年会計年度の第 3 四半期の業績は、こちらをご覧ください。

NVIDIA について
1999 年における NVIDIA (NASDAQ表示: NVDA) による GPU の発明は、PC ゲーミング市場の成長に爆発的な拍車をかけ、現代のコンピューター グラフィックス、ハイパフォーマンス コンピューティング、そして人工知能 (AI) を再定義しました。NVIDIA のアクセラレーテッド コンピューティングと AI における先駆的な取り組みは、輸送、ヘルスケア、製造業などの数兆ドル規模の産業を再構築し、その他のさまざまな産業の拡大も加速させています。 https://nvidianews.nvidia.com/