高いフレーム レートが E スポーツに重要な理由

執筆者: Tony Tamasi 投稿日: 2019年12月3日 | Featured Stories

対戦ゲームのプレイヤーと e スポーツのプロは、可能な限り高いフレーム レートを求め、対戦で優位になるように取り組んでいます。最高の結果を残すには、スムーズなアニメーション、最小の遅延、そして気が散る現象を最小限にとどめることが必要です。最新の GPU による高いフレーム レートによって、プレイヤーは競争力を手にできます。

私たちは最近、60 FPS/Hz、144 FPS/Hz、240 FPS/Hz が、『CS:GO』のゲームプレイにどのように影響するかを示すビデオを公開しました:

 

ここではさらに掘り下げて、PC でこれらがどのように機能するか、また、なぜフレーム レートがアニメーションのスムーズさを改善し、ゴーストやテアリングの影響を軽減し、システムの遅延を短縮することで、プレイヤーに対戦上の優位性をもたらすかを見てみましょう。

そもそも FPS と Hz とは何か?

FPS と Hz は、ゲームの世界でしばしば誤用されています。Hz は 1 秒間あたりの周期の数として定義され、一般的にはディスプレイに関連付けられます。どちらもタスクを完了する速度 (完了率) を表しますが、PC のレンダリング システムのコンポーネントが異なります。簡単に言えば、FPS はシステム、特に GPU がフレームの処理を完了する速度であり、Hz はディスプレイがこれらの完了したフレームを表示する速度です。

下の図では、上側の灰色の目盛りがモニターに表示されるフレームを表し、緑の目盛りが GPU によって処理が完了されるフレームを表しています。

これらの速度は同じではありません。GPU はディスプレイが表示できるよりも速く、もしくは遅くフレームの処理を完了することがあります。このフレームの処理時間の変動は、レンダリングされる 3D シーンの複雑さの違いによって引き起こされます。例えば、爆発が起きるシーンは、前のシーンよりもレンダリングに時間がかかる場合があります。一方、Hz は通常一定の速度であり、シーンの複雑さによって変化することはありません。60Hz は毎秒 60 回、144Hz は毎秒 144 回です。可変リフレッシュ レートに対応したディスプレイもありますが、ここでは簡単に説明するために、固定のリフレッシュ レートのディスプレイを想定しています。

フレームの処理時間は、フレームごとに一定ではないので、FPS は通常、数秒間にわたるローリング平均です。FPS について考える良い方法は、「GPU が 1 秒間に処理を完了するフレームの平均数」です。

FPS と Hz が異なると、テアリングのような現象が発生しますが、後で説明します。結局のところ、GPU -> FPS、ディスプレイ -> Hz です。最高のパフォーマンスを得るには、両方を高くする必要があります。

高い FPS でスムーズなアニメーション

高い FPS でのアニメーションの滑らかさを見てみましょう。まずは基本的な概念から始め、記事の後半でより複雑なトピックを扱います。

下のビデオでは、FPS/Hz が高くなるとアニメーションがよりスムーズに見えることがわかります。60 FPS/Hz では、アニメーションは点から点へとスキップしているように飛び飛びに見えます。240 Hz/Hz でも、まだステップが見えますが、ステップははるかに小さくなっています。

この概念を解説する前に、FPS が Hz に固定していると考えます。これは実際には起こりませんが、GPU とディスプレイが同じ速度で動作している場合、これらの概念の説明が容易になります。

下の弾むボールのアニメーションを見ると、なぜアニメーションがスムーズになるかがわかります。

60 FPS/Hz のアニメーションの「コマ」ごとに、240 FPS/Hz では 4 つの「コマ」があります。これらの追加のコマによって動きが補間され、240 FPS/Hz がよりスムーズに感じられます。240 FPS/Hz では、同じ時間内に見える 3 つの追加情報のフレームがあります。

スムーズなアニメーションは、ターゲットの追跡に役立ちます。エイムのオーバーシュートやアンダーシュートを微調整するときに、スムーズなターゲットの動きは、ターゲットにより素早く狙いを定めるのに役立ちます。

より高い FPS/Hz でゴーストを軽減

ゴーストは、あらゆる LCD ディスプレイで発生する気が散る現象です。ディスプレイは更新されても、色はすぐには変わりません。特に色の変化の範囲が大きい場合、ピクセルの変更に時間がかかります。

下の『CS:GO』のビデオを見ると、ゴーストは通常、前のフレームのオブジェクトの位置一に発生し、オブジェクトの背後の軌跡のように見えます。

下の弾むボールのアニメーションで解説すると、ゴーストがボールを追従しているのがわかります。

アニメーションの滑らかさのコマに基づいて、ゴーストはアニメーションの前の「コマ」に表示されます。60 FPS/Hz では、アニメーション ステップ間の距離の変化がはるかに大きいので、ゴーストがよりはっきりと表示されます。240 FPS/Hz では、アニメーション ステップ間の距離の変化は小さいので、ゴーストは目立ちません。

このため、 FPS/Hz が高いほど、回転するキャラクターや、動いているオブジェクトが、はっきり見えるようになります。アニメーションがスムーズになる利点と同じく、ゴーストが軽減すると、よりはっきりとターゲットを追跡できるようになり、ゴーストではなくターゲットに照準を合わせることができます。

高い FPS がテアリングを軽減

テアリングとは、ディスプレイに GPU からの異なるフレームが同時に表示され、画面にで水平方向のテアリング、または画像のズレが発生する現象です。下の例では、プレイヤー モデルにテアリングを見ることができます。

テアリングによる画像のズレ

テアリングは、GPU (FPS) の出力レートがディスプレイの Hz と一致しない場合に発生します。テアリングを避けるために、V-SYNC をオンにすることができます。V-SYNC は、GPU の出力レートをディスプレイの HZ に効果的に固定します。V-SYNC がオンの場合、GPU はディスプレイのリフレッシュ サイクルごとに 1 フレームのみレンダリングできます。

これによりテアリングを無くすことができますが、入力遅延が大きくなり、GPU がアクションの結果を表示するために待つことが多くなり、ゲームの応答性が低下します。遅延が大きくなるため、多くのプレイヤーは V-SYNC をオフにして、テアリングを我慢してプレイしています。

下の例では、FPS はディスプレイの Hz より高く、V-SYNC はオフになっています。

ご覧の通り、240 FPS/Hz でテアリングが小さく見えます。なぜ、そうなるのか解説しましょう。

下のアニメーションでは、男が画面の左から右に走っています。そして、テアリングが起きています。

ご覧の通り、テアリングが発生するとオブジェクトの下半分が、その他のパーツを残したまま前方に移動したように見えます。GPU のレートはディスプレイのレートに固定されていないため、GPU はリフレッシュの途中で、レンダリングを完了した次のフレームに効率的に交換します。フレームが交換されると、フレームの残りの部分が新しい画像でレンダリングされ、テアリングとよばれるオフセットが生じます。

アニメーションのステップと同じく、オブジェクトがフレーム間で移動する距離は 60 FPS/Hz で大きくなるため、2 つのフレーム間のオブジェクトの変位が大きくなり、テアリングが大きくなります。240 FPS/Hz では、フレーム間の時間差が小さいため、オブジェクトのフレーム間の変位が小さくなり、テアリングが小さくなります。テアリングが小さくなると、気が散る現象が無くなり、プレイヤーはゲームに勝つことに集中できます。

前述したように、G-SYNC のような可変リフレッシュ レート テクノロジを使用して、テアリングを無くしながら V-SYNC オフの利点をプレイヤーに与えるディスプレイがあります。G-SYNC ディスプレイはディスプレイがリフレッシュする前に GPU による次のフレームの処理が完了するのを待ち、GPU ができるだけ速くフレームの処理を完了できるようにします。このトピックについては、今後の記事で詳しく説明します。

高い FPS = より小さいシステム遅延

下の動画を見ると、240 FPS/Hz の対戦プレイヤーが 60 FPS/Hz のプレイヤーよりも前に位置しているように見えます。

これはシステムの遅延が原因です。

ゲームの遅延について話すとき、多くのプレイヤーは ping やネットワーク遅延を思い浮かべます。これらの遅延の原因は、PC 上の情報がゲーム サーバーに到達して PC に戻るまでにかかる時間です。

一方、システム遅延は、アクション (マウス クリック、マウスの移動、キーボード入力) がディスプレイに到達するまでの時間を表します。これは、しばしば「Motion to Photon」、または「Click to Muzzle Flash」遅延と呼ばれます。

ところでシステム遅延の原因は何でしょうか? レンダリング パイプラインを詳しく見てみましょう。

下の例では、説明を簡単にするためにパイプラインを 3 段階に簡略化しています。左から順に、入力を解釈し、ゲームの状態を更新し、GPU でレンダリングするフレームを準備し、GPU レンダー待ち行列に追加する CPU (青いバー) があります。次に、待ち行列からフレームを取得してレンダリングする GPU (緑のバー) があります。GPU が処理を完了すると、ディスプレイ (灰色のバー) が次のリフレッシュの周期で最終イメージを表示します。

これらのすべてのアクションには時間がかかり、その時間の合計がシステム遅延になります。

現実の世界では、これらのアクションはパイプライン化されています。つまり、各ステージが完了すると、次のフレームが開始されます。パイプライン処理は完了率 (FPS) に影響しますが、アクションが各ステージを通過するのでシステム遅延は必ずしも変更されません。

240 FPS/Hz パイプラインに次に、60 FPS/Hz パイプラインを見てみましょう。

60 FPS/Hz のシステムでは、フレームがかなり後で表示されることがわかります。これを各システムの 1 つのフレームで解説すると、システム遅延の違いがわかります。

初めに、各システムの CPU は同時にプレイヤーの位置を受け取ります。この例では、CPU のフレームの準備と GPU のレンダリングにはほぼ同じ時間がかかっています。60 FPS システムのパイプラインの CPU 部分は、240 FPS システムの 4 倍です。同じく、GPU レンダリングの時間も 60 FPS システムでは 4 倍長くなります。最後に、60 FPS システムでは、リフレッシュの周期が 240 Hz ディスプレイより 4 倍長いので、ディスプレイの部分も 4 倍長くなります。

60 FPS/Hz システムでは、処理に時間がかかるので、ゲームの実際の状態よりもかなり遅れています。240 FPS/Hz では、レンダリングはゲームの実際の状態に非常に近くなりますが、まだ多少の違いがあります。

下の例では、2 つのシステムの遅延の違いを確認できます。2 つの間の位置の違いは、システム遅延の違いです。黒いバーのような垂直な線を使用すると、システム遅延によって発生するこれらの差を簡単に比較できます。

システム遅延が小さいほど、プレイヤーをより早く見つけることができます。さらに、システム遅延が減少すると、マウスを動かしてから画面上の結果が表示されるまでの時間が短くなるため、ゲームの応答性が向上します。これらの利点を併せ持つことで、システム遅延が小さいほど、戦場での競争力が高まります。

GeForce が高い FPS を実現

結論として、フレーム レートが高いほど、明確で測定可能な利点があります。アニメーションがスムーズになるとターゲットの追跡が向上し、ゴーストやテアリングが小さくなると気が散る現象が軽減されます。また、システム遅延が小さくなると、ターゲットを素早く確認でき応答性が向上します。これらの利点を組み合わせることで、高い FPS によって競争相手よりも優位になります。

どの程度の競争力が必要ですか? 今年の初めに実施した調査から収集したデータを使って、プレイヤーの平均 FPS キルデス比 (K/D 比) をプロットすることができました。これは、『フォートナイト』や 『PUBG』のような対戦ゲームにおけるプレイヤーのスキルの一般的な指標です。

グラフを見ると、プレイヤーの平均 FPS と『PUBG』と『フォートナイト』の K/D 比の間に相関関係があることがわかります。180 FPS では、プレイヤーの K/D 比は 60 FPS のプレイヤーよりも 90% 優れています!

それ自体では、相関関係はもちろん因果関係を意味するものではありません。しかし、記事で説明されているアニメーションの滑らかさ、ゴーストとテアリングの軽減、システム遅延の減少などの FPS の利点を考えると、グラフに示されている肯定的な関係は少し理にかなっています。

最新の #FramesWinsGames ページをご覧になり、GeForce GPU がバトル ロイヤルとファースト パーソン シューターでの競争力を最大化するために必要な FPS をどのように提供できるか確認してください。また、このテーマの詳細については、下の新しい Tony  による技術解説 ビデオをご覧ください。