- データセンターの売上高は 38 億 3,000 万ドルで、前年同期より 31% 増
- 四半期の株主還元は 37 億 5,000 万ドル
NVIDIA (NASDAQ: NVDA) は、2022 年 10 月 30 日に終了した第 3 四半期の売上高が 59 億 3,000 万ドルになったことを発表しました。これは前年同期からは 17% 減、前四半期からは 12% 減となります。
米国 GAAP に基づく業績では、第 3 四半期の希薄後 1 株当たりの利益は 0.27 ドルで、前年同期からは 72% の減少、前四半期からは 4% の増加となりました。非 GAAP に基づく希薄後 1 株当たりの利益は 0.58 ドルで、前年同期からは 50% の減少、前四半期からは 14% の増加となりました。
NVIDIA の創業者/CEO であるジェンスン フアン (Jensen Huang) は、次のように述べています。「NVIDIA はマクロ環境に迅速に適応し、在庫水準を是正して新商品への道を開いています。」
「Ada Lovelace RTX グラフィックス、Hopper AI コンピューティング、BlueField および Quantum ネットワーキング、自律走行車およびロボティクスのための Orin、ならびに Omniverse といった NVIDIA の新たなプラットフォームの立ち上げは素晴らしいスタートを切っており、NVIDIA の次の成長段階に向けた基礎となります。」
「NVIDIA のアクセラレーテッド コンピューティングにおける先駆的な取り組みは、これまで以上に重要になっています。AI のコンピューティング需要は増加していますが、物理的な限界により、汎用コンピューティングの進化は停滞しています。アクセラレーテッド コンピューティングを導入すれば、企業はコストの節約と環境保護を実現しながら、著しい生産性の向上を達成できるのです。」
2023 年会計年度第 3 四半期に、NVIDIA は、株式買い戻しおよび現金配当で 37 億 5,000 万ドルの株主還元を実施しました。これによって第 3 四半期までの株主還元の合計は 92 億 9,000 万ドルとなりました。2022 年 10 月 30 日現在で、取締役会が承認した 2023 年 12 月までのNVIDIAの株式買い戻しプログラムの残高は 82 億 8,000 万ドルです。
NVIDIA は、2022 年 12 月 1 日を配当基準日として、2022 年 12 月 22 日に 1 株当たり 0.04 ドルを次回四半期現金配当として支払う予定です。
2023 年会計年度第 3 四半期の概要
GAAP ベース | |||||
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(単位: 百万ドル 1 株当たりのものを除く) | Q3 FY23 | Q2 FY23 | Q3 FY22 | Q/Q | Y/Y |
売上高 | $5,931 | $6,704 | $7,103 | 12%減 | 17%減 |
売上高総利益率 | 53.6% | 43.5% | 65.2% | 10.1 pts増 | 11.6 pts減 |
営業費用 | $2,576 | $2,416 | $1,960 | 7%増 | 31%増 |
営業利益 | $601 | $499 | $2,671 | 20%増 | 77%減 |
純利益 | $680 | $656 | $2,464 | 4%増 | 72%減 |
希薄後 1 株当たりの利益 | $0.27 | $0.26 | $0.97 | 4%増 | 72%減 |
非 GAAP ベース | |||||
---|---|---|---|---|---|
(単位: 百万ドル 1 株当たりのものを除く) | Q3 FY23 | Q2 FY23 | Q3 FY22 | Q/Q | Y/Y |
売上高 | $5,931 | $6,704 | $7,103 | 12%減 | 17%減 |
売上高総利益率 | 56.1% | 45.9% | 67.0% | 10.2 pts増 | 10.9 pts減 |
営業費用 | $1,793 | $1,749 | $1,375 | 3%増 | 30%増 |
営業利益 | $1,536 | $1,325 | $3,386 | 16%増 | 55%減 |
純利益 | $1,456 | $1,292 | $2,973 | 13%増 | 51%減 |
希薄後 1 株当たりの利益 | $0.58 | $0.51 | $1.17 | 14%増 | 50%減 |
見通し
2023 年会計年度第 4 四半期については、以下のように予想されます。
- 売上高は、60 億ドル ± 2% となる見込みです。
- 売上高総利益率は、GAAP ベースが 63.2% ± 0.5%、非 GAAP ベースが 66.0% ± 0.5% となる見込みです。
- 営業費用は、GAAP ベースが約 25 億 6,000 万ドル、非 GAAP ベースが約 17 億 8,000 万ドルとなる見込みです。
- GAAP ベースおよび非 GAAP ベースのその他の利益および費用は、利益が約 4,000 万ドルとなる見込みです (関連会社以外への投資による損益は除く)。
- GAAP 税率および非 GAAP 税率は、9.0% ± 1% となる見込みです (個別項目は除く)。
ハイライト
前四半期の業績発表以降も、NVIDIA では以下の分野での進展がありました。
データセンター
- 第 3 四半期売上高は 38 億 3,000 万ドルで、前年同期から 31% 増加し、前四半期から 1% 増加しました。
- 新しい NVIDIA Hopper™ アーキテクチャに基づく NVIDIA® H100 Tensor コア GPU の出荷が始まり、現在最初のシステムを提供中です。
- SC22 スーパーコンピューティング カンファレンスにおいて、 NVIDIA H100 および Quantum-2 システム が広く採用されていること、 NVIDIA Omniverse™ が主要な科学計算可視化ソフトウェアと接続されること、最新の世界最速スーパーコンピューター TOP500 リストに含まれる新しいシステムの 90% に NVIDIA が搭載されていること (中でも、米国の Flatiron Institute に採用されている、H100 搭載システムは、最も効率の良いシステムのランキングである Green500 リストで首位) を、で発表しました。
- Microsoft との複数年にわたるコラボレーション を発表し、数万個の A100 および H100 GPU を採用したMicrosoft Azure を通じて、企業が最先端のモデルを含む AI のトレーニング、展開、拡張を行えるように支援します。
- Oracle クラウド インフラストラクチャーに NVIDIA のフルスタックのアクセラレーテッド コンピューティングを導入するための Oracle との複数年にわたるパートナーシップ を発表しました。A100 および H100 アクセラレーターを含む NVIDIA の GPU がさらに数万個以上導入されます。
- 臨床放射線技師が AI ベースの診断ツールを利用できるようにするための Nuance Communications とのパートナーシップを発表しました。
- Rescale が NVIDIA の AI Enterprise ソフトウェアを同社の HPC-as-a-service製品に組み込んでいることを発表しました。
- NVIDIA NeMo™ LLM および NVIDIA BioNeMo™ LLM という 2 つの新たな大規模言語モデル (LLM) クラウド AI サービス を発表しました。コンテンツ生成、テキスト要約、タンパク質構造および生体分子特性の予測などのための LLM の調整やカスタマイズされた AI アプリケーションの展開が、開発者にとって容易になります。
- NVIDIA H100 Tensor コア GPU セット が、MLPerf AI ベンチマークへの初提出で、全ワークロードにおいて AI 推論 と AI トレーニングの両方で記録を樹立したことを発表しました。
- Ada Lovelace GPU アーキテクチャと強化されたネットワーク テクノロジを搭載した第 2 世代の NVIDIA OVX™ を公表しました。画期的なリアルタイム グラフィックス、AI およびデジタルツイン シミュレーション能力を備えた 3D 世界の構築が可能になります。
- Dell PowerEdge サーバーを NVIDIA BlueField® DPU、NVIDIA GPU および NVIDIA AI Enterprise ソフトウェアと組み合わせることにより VMware vSphere 8 向けに最適化されたゼロトラスト セキュリティを提供する新たなデータセンター ソリューション を発表しました。
ゲーミング
- 第 3 四半期売上高は 15 億 7,000 万ドルで、前年同期から 51% 減少し、前四半期から 23% 減少しました。
- ゲーマーとクリエイターのための初めての Ada Lovelace アーキテクチャ GPU である GeForce RTX™ 4090 を発売し、各地で瞬く間に完売となりました。RTX 4080 の販売も開始しました。
- NVIDIA RTX™ ニューラル レンダリングの新時代を担う、 AI で性能を飛躍させるテクノロジである NVIDIA DLSS 3 を発表しました。現在 240 本を超える DLSS ゲームおよびアプリケーションが利用可能であり、『Marvel’s Spider-Man Remastered』、『サイバーパンク2077』、『Microsoft Flight Simulator』など 35 本のゲームおよびアプリが DLSS 3 をサポートすることを発表しています。
- 37 本の新たな RTX のゲームおよびアプリが出荷され、合計は 360 本を超えました。
- 85 本を超えるゲームが加わり、GeForce NOW™ ライブラリが拡大しました。これにより、対応するゲームの数は、合計で 1,400 本を超えました。
プロフェッショナル ビジュアライゼーション
- 第 3 四半期売上高は 2 億ドルで、前年同期から 65% 減少し、前四半期から 60% 減少しました。
- アーティスト、開発者およびエンタープライズ チームがメタバース アプリケーションにアクセスするための包括的なクラウド サービス スイートである、NVIDIA 初の SaaS および IaaS 製品、 NVIDIA Omniverse™ Cloud を発表しました。
オートモーティブおよび組み込み
- 第 3 四半期売上高は 2 億 5,100 万ドルで、前年同期から 86% 増加し、前四半期から 14% 増加しました。
- 安全でセキュアな自動運転車向けの次世代の集中型コンピューターで、最大2,000 TFLOPSのパフォーマンスを実現するNVIDIA DRIVE Thor™ を発表しました。Geely 傘下の ZEEKR は、これを 2025 年に電気自動車に導入予定です。
- NVIDIA DRIVE Orin および Xavier™ を搭載した 完全な電気自動車 Volvo EX90 、およびNVIDIA DRIVE™ プラットフォームを採用した Polestar3 (同ブランド初の SUV) が公開されました。
- Hozon Auto の Neta ブランドが、今後、 NVIDIA DRIVE Orin™ プラットフォームを利用 して電気自動車を構築し、自動運転とインテリジェント機能を可能にすると発表しました。
- 車両にインタラクティブな機能をもたらすために NVIDIA のオープン AI コックピット ソフトウェア スタックを活用している、 新たな DRIVE IX エコシステム パートナー を発表しました。
- 前世代と比べて最大 80 倍の性能を提供する、エントリーレベルのエッジ AI およびロボティクスのための Jetson Orin Nano™ システム オン モジュール を発表しました。
NVIDIA CFO によるコメント
NVIDIA のエグゼクティブ バイス プレジデント兼最高財務責任者 (CFO) であるコレット クレス (Colette Kress) による本四半期に関するコメントを、https://investor.nvidia.com/でご覧いただくことができます (英語)。
カンファレンス コールおよび Web キャスト情報
2023 年会計年度第 3 四半期の業績とおよび現在の財務見通しについてのアナリストおよび投資家とのカンファレンス コールは、NVIDIA のインベスター リレーションズ ウェブサイト、 http://investor.nvidia.com でアクセス可能です。Web キャストは録音され、NVIDIA の 2023 年会計年度第4四半期決算についてのカンファレンス コールが開催されるまで再生できます。
非 GAAP 財務指標について
NVIDIA では、GAAP ベースの要約連結財務諸表に加え、一部の項目については非 GAAP ベースの財務指標を使用しています。使用している非 GAAP 財務指標は、非 GAAP ベースの売上高総利益、非 GAAP ベースの売上高総利益率、非 GAAP ベースの営業費用、非 GAAP ベースの営業利益、非 GAAP ベースのその他の利益(費用)(純額)、非 GAAP ベースの純利益、非 GAAP ベースの希薄後 1 株当たり純利益あるいは利益、ならびにフリー キャッシュ フローです。また、現在と過去の財務指標が比較しやすいように、GAAP ベースの財務指標と非 GAAP ベースの財務指標がどのような関係にあるのかも明らかにしています。この情報を活用すれば、関連する GAAP 財務指標から、株式報酬費用、買収関連およびその他の費用、寄付金、IP 関連費用、関連会社以外への投資による損益、減債償却に関連する支払利息、および該当する場合には、これらの項目に関連して発生する税金の影響、州法の認可を受けた税制優遇措置および外国税に関する税制優遇措置を除外することができます。フリー キャッシュ フローは、営業活動の収益から不動産や設備、無形資産に関連する購入費と不動産や設備、無形資産に関連する主な支払いの両方を差し引いた GAAP ベースのキャッシュ純額として算出されます。非 GAAP 財務指標の提示は、過去から続く財務状況の変遷を理解しやすくするものであると NVIDIA では考えています。なお、NVIDIA が提示している非 GAAP 財務指標はそれのみを独立して見るべきものでもなければ、GAAP ベースで用意された業績を代替するものでもありません。また、NVIDIA が提示する非 GAAP 財務指標は、他社が提示する非 GAAP 財務指標とは異なる可能性があります。
NVIDIA について
1993 年の創業以来、NVIDIA (NASDAQ: NVDA) は、アクセラレーテッド コンピューティングのパイオニアとして活動してきました。同社が 1999 年に発明した GPU は、PC ゲーム市場の成長に拍車をかけ、コンピューター グラフィックスを再定義し、現代の AI の時代に火をつけ、メタバースの創造を後押ししています。NVIDIA は現在、データセンター規模の製品を提供するフルスタック コンピューティング企業であり、産業のあり方を大きく変えています。詳細は、こちらのリンクから:https://nvidianews.nvidia.com/