NVIDIA、2023 年会計年度第 1 四半期の業績を発表

  • 四半期売上高は過去最高の 82 億 9,000 万ドルで、前年同期より 46% 増
  • データセンターおよびゲーミングの四半期売上高は過去最高を記録

NVIDIA (NASDAQ: NVDA) は、2022 年 5 月 1 日に終了した第 1 四半期の売上高が 82 億 9,000 万ドルになったことを発表しました。前年同期から 46% 増加、前四半期から 8% 増加し、データセンターおよびゲーミングが過去最高の売上高を記録しました。

米国 GAAP に基づく業績では、第 1 四半期の希薄後 1 株当たりの利益は 0.64 ドルで、前年同期からは 16% の減少、前四半期からは 46% の減少となりました。これには、Arm 買収の断念に伴う 13 億 5,000 万ドルの費用に関連する税引後の影響 0.52 ドルが含まれています。非 GAAP に基づく希薄後 1 株当たりの利益は 1.36 ドルで、前年同期からは 49% の増加、前四半期からは 3% の増加となりました。

NVIDIA の創業者/CEO であるジェンスン フアン (Jensen Huang) は、次のように述べています。「厳しいマクロ環境に反して、データセンターおよびゲーミングの業績が過去最高を記録しました。インテリジェンスを自動化するディープラーニングの有効性により、各業界の企業で、AI コンピューティングに NVIDIA を採用する動きが加速しています。データセンターはNVIDIA最大のプラットフォームとなっており、ゲーミングは過去最高の四半期業績を達成しました。

NVIDIA は、新しい GPU、CPU、DPU およびロボティクス プロセッサを下期に立ち上げ、NVIDIA史上最大規模となる新製品の投入に向けた準備を進めています。NVIDIAの新しいチップおよびシステムは、AI、グラフィックス、Omniverse、自動運転車およびロボティクス、ならびに当該テクノロジが影響を及ぼす多くの産業を大きく前進させるでしょう。」

2023 年会計年度第 1 四半期に、NVIDIA は、株式買い戻しおよび現金配当で 21 億ドルの株主還元を実施しました。

2022 年 5 月 23 日に、NVIDIA 取締役会は、2023 年 12 月まで最大で総額 150 億ドルの普通株式の追加買い戻しを実施するため、NVIDIAの株式買い戻しプログラムを強化し、延長しました。

NVIDIA は、2022 年 6 月 9 日を配当基準日として、2022 年 7 月 1 日に 1 株当たり 0.04ドルの次回四半期現金配当を支払う予定です。

2023 年会計年度第 1 四半期の概要

GAAP ベース
(単位: 百万ドル 1 株当たりのものを除く) Q1 FY23 Q4 FY22 Q1 FY22 Q/Q Y/Y
売上高 $8,288 $7,643 $5,661 8% 増 46%増
売上高総利益率 65.5% 65.4% 64.1% 10 bps 増 140 bps増
営業費用 $3,563 $2,029 $1,673 76%増 113%増
営業利益 $1,868 $2,970 $1,956 37%減 4%減
純利益 $1,618 $3,003 $1,912 46%減 15%減
希薄後 1 株当たりの利益 $0.64 $1.18 $0.76 46%減 16%減
非 GAAP ベース
(単位: 百万ドル 1 株当たりのものを除く) Q1 FY23 Q4 FY22 Q1 FY22 Q/Q Y/Y
売上高 $8,288 $7,643 $5,661 8%増 46%増
売上高総利益率 67.1% 67.0% 66.2% 10%増 90 bps増
営業費用 $1,608 $1,447 $1,189 11%増 35%増
営業利益 $3,955 $3,677 $2,557 8%増 55%増
純利益 $3,443 $3,350 $2,313 3%増 49%増
希薄後 1 株当たりの利益 $1.36 $1.32 $0.91 3%増 49%増

見通し
2023 年会計年度第 2 四半期については、以下のように予想されます。

  • 売上高は、81 億ドル ± 2% となる見込みです。これには、ロシアおよび COVID (新型コロナウイルス) に伴う中国のロックダウンに関連する約 5 億ドルの減少見込みが含まれます。
  • 売上高総利益率は、GAAP ベースが 65.1% ± 0.5%、非 GAAP ベースが 67.1% ± 0.5% となる見込みです。
  • 営業費用は、GAAP ベースが約 24 億 6,000 万ドル、非 GAAP ベースが約 17 億 5,000 万ドルとなる見込みです。
  • GAAP ベースおよび非 GAAP ベースのその他の利益および費用は、費用が約 4,000 万ドルとなる見込みです (関連会社以外への投資による損益は除く)。
  • GAAP 税率および非 GAAP 税率は、12.5% ± 1% となる見込みです (個別項目は除く)。

ハイライト
前四半期の業績発表以降に、NVIDIA では以下の分野での進展がありました。

データセンター

  • 第 1 四半期売上高は過去最高の 37 億 5,000 万ドルで、前年同期から 83% 増加し、前四半期から 15% 増加しました。
  • 前世代に比べ大幅な性能向上を実現する NVIDIA Hopper™ GPU アーキテクチャ、800 億個のトランジスタを搭載する初の Hopper ベースの GPU である NVIDIA® H100 Tensor コア GPU、および専用 AI インフラの第 4 世代である NVIDIA DGX™ H100 システムを発表しました。
  • 2 個の CPU チップが高速かつ低遅延の新しいチップ ツー チップ インターコネクト、NVLink®-C2C によってコヒーレントに接続された Arm® ベースの NVIDIA Grace™ CPU Superchip を発表しました。
  • 台湾の大手コンピューター メーカーが、2023 年上期に市場へ投入予定の NVIDIA の Grace Hopper および Grace CPU Superchip を搭載した初代システムを発売する予定であることを発表しました。
  • 大規模データセンターのインフラに必要な極めて高い性能と堅牢なセキュリティを可能にする、世界初の 400 Gbps のエンドツーエンド ネットワーキング プラットフォームである NVIDIA Spectrum™ -4 を発表しました。
  • NVIDIA のパートナーからの AI アプリケーションの性能および信頼性を確保する支援を行うため、NVIDIA AI に対する大型アップデート (高度なスピーチ、レコメンダー システム、ハイパースケール推論などのためのエンタープライズ レディのソフトウェアを含む) ならびに新しい NVIDIA AI Accelerated プログラムを発表しました。
  • ハイパフォーマンス GPU アクセラレーテッド コンピュート、グラフィックスおよび AI を高速ストレージ アクセス、低遅延ネットワーキングおよび高精度タイミングと組み合わせる NVIDIA OVX™ (Omniverse に産業用デジタル ツインを作成するための専用のスケーラブルなサーバー リファレンス デザイン) を発表しました。
  • 幅広い分野にわたるライブラリ、ツールおよびテクノロジの NVIDIA CUDA-X™ コレクションに対する 60 以上のアップデートを発表しました。
  • 医療機器業界がエッジでリアルタイム AI アプリケーションを開発および展開するためのプラットフォームであり、要求される規制基準を満たすために設計された NVIDIA Clara™ Holoscan MGX を発表しました
  • Microsoft Azure と協力し、NVIDIA vGPU ソフトウェアおよび NVIDIA A10 Tensor コア GPU を使用したスケーラブルな仮想化クラウド環境をプレビュー公開しました。
  • AI 対応のアプリケーションおよびサービスを使用するショッピング体験を再考するため、The Kroger Co. との戦略的協業を発表しました
  • 合成臨床データを生成するニューラル ネットワークを開発するため、フロリダ大学の学術医療センター、UF Health と提携しました

ゲーミング

  • 第 1 四半期売上高は過去最高の 36 億 2,000 万ドルで、前年同期から 31% 増加し、前四半期から 6% 増加しました。
  • 史上最速のコンシューマー向け GPU である GeForce RTX® 3090 Ti を発表しました。
  • NVIDIA RTX 向けに最適化された 15 本の新作ゲーム タイトル (『Dying Light 2 Stay Human』、『Ghostwire: Tokyo』および『Shadow Warrior 3』を含む) を発表しました。これにより、ゲームおよびアプリケーションの数は合計で 250 本を超えました。
  • 現在、ゲーマーは、GeForce NOW™ の月額サブスクリプション プランを通じて RTX 3080 クラスのストリーミングへアクセスできることを発表しました※。
  • 『Lost Ark』、『Need for Speed: Heat』および『Life is Strange: Remastered』を含む100 本のゲームが新たにGeForce NOWに対応し、GeForce NOW ライブラリが拡大しました。これにより、対応するゲームの数は、合計で 1,300 本を超えました。
  • モバイル デバイスのタッチ操作でプレイ可能な『フォートナイト』がGeForce NOWに正式に対応し、iOS の Safari ウェブ ブラウザおよび GeForce NOW Android アプリからストリーミングが開始されたことを発表しました。

プロフェッショナル ビジュアライゼーション

  • 第 1 四半期売上高は 6 億 2,200 万ドルで、前年同期から 67% 増加し、前四半期から 3% 減少しました。
  • ワークステーション向けの新しい NVIDIA Ampere アーキテクチャ RTX GPU を追加し、AI およびレイトレーシング テクノロジへのアクセスを拡大しています。
  • NVIDIA Omniverse™ への即時アクセス (何百万人もの Mac および Chromebook ユーザーによるアクセスを含む) のための Omniverse Cloud サービスを発表しました。来年利用が開始された場合には、どこからでも大規模な 3D シーンの共同編集を行うことが可能となります。
  • Amazon Roboticsが倉庫の設計を最適化し、かつ、よりインテリジェントなロボティック ソリューションをトレーニングするため、Omniverse Enterprise を使用して、AI 対応のデジタル ツインを構築していることを発表しました。

オートモーティブおよびロボティクス

  • 第 1 四半期のオートモーティブの売上高は、1 億 3,800 万ドルで、前年同期から 10% 減少し、前四半期から 10% 増加しました。
  • NVIDIA DRIVE Orin™ 自律走行車コンピューターの生産を開始しました。35 社を超える自動車メーカー、トラック メーカーおよびロボタクシー会社に採用されています。
  • Lucid Motors およびBYD との提携を発表しました。これにより、オートモーティブ関連企業との取引額の見込みが今後 6 年間で 110 億ドル超に達します。
  • 安全性を向上しつつ最高レベルの自律性を可能にするよう設計された、マルチモダール マッピング プラットフォーム (一部、DeepMap 調査マッピング技術を基礎とする) の NVIDIA DRIVE™ Map を発表しました。
  • NVIDIA Orin は、MLPerf ベンチマークへのデビューで、前世代と比較して最大 5 倍の速度で動作し、平均 2 倍のエネルギー効率を実現し、AI 推論で記録を樹立しました。
  • NVIDIA Jetson™ AGX Orin 開発者キット (製品モジュールは 7 月に出荷) の提供開始を発表したほか、自律走行搬送ロボットの開発を加速させるために構築された最新 AI コンピュートおよびセンサー リファレンス プラットフォームの Isaac Nova Orin を発表しました。

NVIDIA CFO によるコメント
NVIDIA のエグゼクティブ バイス プレジデント兼最高財務責任者 (CFO) であるコレット クレス (Colette Kress) による本四半期に関するコメントを、https://investor.nvidia.com/でご覧いただくことができます (英語)。

カンファレンス コールおよび Web キャスト情報
2023 年会計年度第 1 四半期の業績とおよび現在の財務見通しについてのアナリストおよび投資家とのカンファレンス コールは、NVIDIA のインベスター リレーションズ ウェブサイト、 http://investor.nvidia.com でアクセス可能です。Web キャストは録音され、NVIDIA の 2023 年会計年度第 2 四半期決算についてのカンファレンス コールが開催されるまで再生できます。

非 GAAP 財務指標について
NVIDIA では、GAAP ベースの要約連結財務諸表に加え、一部の項目については非 GAAP ベースの財務指標を使用しています。使用している非 GAAP 財務指標は、非 GAAP ベースの売上高総利益、非 GAAP ベースの売上高総利益率、非 GAAP ベースの営業費用、非 GAAP ベースの営業利益、非 GAAP ベースのその他の利益(費用)(純額)、非 GAAP ベースの純利益、非 GAAP ベースの希薄後 1 株当たり純利益あるいは利益、ならびにフリー キャッシュ フローです。また、現在と過去の財務指標が比較しやすいように、GAAP ベースの財務指標と非 GAAP ベースの財務指標がどのような関係にあるのかも明らかにしています。この情報を活用すれば、関連する GAAP 財務指標から、株式報酬費用、買収関連およびその他の費用、IP 関連費用、関連会社以外への投資による損益、減債償却に関連する支払利息、および該当する場合には、これらの項目に関連して発生する税金の影響、州法の認可を受けた税制優遇措置および外国税に関する税制優遇措置を除外することができます。フリー キャッシュ フローは、営業活動の収益から不動産や設備、無形資産に関連する購入費と不動産や設備、無形資産に関連する主な支払いの両方を差し引いた GAAP ベースのキャッシュ純額として算出されます。非 GAAP 財務指標の提示は、過去から続く財務状況の変遷を理解しやすくするものであると NVIDIA では考えています。なお、NVIDIA が提示している非 GAAP 財務指標はそれのみを独立して見るべきものでもなければ、GAAP ベースで用意された業績を代替するものでもありません。また、NVIDIA が提示する非 GAAP 財務指標は、他社が提示する非 GAAP 財務指標とは異なる可能性があります。

より詳細な 2023 年会計年度第 1 四半期の業績は、こちらをご覧ください。

※NVIDIAによるGeForce NOW運営地域のメンバー向けのサービス、国内は対象外

NVIDIA について
1999 年における NVIDIA (NASDAQ表示: NVDA) による GPU の発明は、PC ゲーミング市場の成長に爆発的な拍車をかけ、現代のコンピューター グラフィックス、ハイパフォーマンス コンピューティング、そして人工知能 (AI) を再定義しました。NVIDIA のアクセラレーテッド コンピューティングと AI における先駆的な取り組みは、輸送、ヘルスケア、製造業などの数兆ドル規模の産業を再構築し、その他のさまざまな産業の拡大も加速させています。
詳細は、こちらのリンクから: https://nvidianews.nvidia.com/